メニュートレンド:“ラム骨×豚骨”に脚光 「ラム豚骨らーめん」

2015.06.01 435号 02面
味の芯はラム骨、全体を包み込む豚骨。2つのハーモニーが絶妙。女性客が2~3割を占める

味の芯はラム骨、全体を包み込む豚骨。2つのハーモニーが絶妙。女性客が2~3割を占める

写真を撮る客のために、テーブル上方に写真撮影用のライティング機材を設置。奥のガラス張り越しにラボを併設

写真を撮る客のために、テーブル上方に写真撮影用のライティング機材を設置。奥のガラス張り越しにラボを併設

 いま都内で最も注目を集めている麺庄の庄野智治社長は、自身のことを「ラーメンクリエーター」と称する。2005年に濃厚豚骨魚介ラーメン店「麺や庄の」を開業したのを皮切りに、鶏専門つけ麺、ベジつけ麺などラーメンの新分野を次々に切り開いてきた。その庄野社長が昨年8月、自身の第5番目のブランドとして立ち上げたのが「自家製麺 MENSHO TOKYO」。“ラム骨×豚骨”というこれまでになかった斬新な組み合わせだ。

 ●独学モットーに“明日の一杯を創る” ワクワク感ある創作麺を目指す

 健康志向を背景として最近はあっさり系スープの人気が高まっているが、庄野社長はあえて濃厚系にこだわる。濃厚系に欠かせない豚骨にプラスする食材を模索していたときにひらめいたのがラムだ。

 「ラム骨はクセになる独特の風味を加えてくれます。豚骨との相性もいい。ただラムを前面に出し過ぎると臭みが出る。そのバランスが難しかったですね」(庄野社長)

 ラムの比率は30%で、すべてゲンコツを使用。残り70%は豚骨だが、ゲンコツではなく頭、背骨、背脂などのベースとなる素材を使用している。味の芯はラム、全体を支えるのが豚骨というコンセプトだ。

 麺は店内に併設した自家製麺室で打ち、常に打ちたてを提供している。食品添加物は使用せず、熟成工程を短くすることで小麦本来の芳醇な香りを出す。ラーメンの麺にはパスタで使用するデュラム品種をブレンド。熟成に頼らなくても弾力性が増す。つけ麺の麺にはタピオカの粉を配合し、多加水で製麺している。

 ラーメンのトッピングはラムの低温チャーシュー、豚煮込みチャーシュー、穂先メンマ、ネギ、三つ葉、スダチ、ほうじ茶、黒コショウ。盛り付けには庄野社長の美意識が光る。

 庄野社長は「視覚からも感動と驚きを提供し、ワクワク感をもってラーメンを楽しんでいただきたい。創作性の表現には盛り付けが一番重要です」と語り、「創作麺を始めたばかりのころ、プロ用の料理書は高くて買えなかったので、本屋で立ち読みして盛り付け方法を研究していました」と振り返る。

 愛読しているのが「世界一予約が取れないレストラン」と評されるスペイン「エル・ブジ」のフェラン・アドリア氏の著書。「昔ながらの庶民的な感覚もあり、フレンチにも引けをとらない華やかさがある。ラーメンでそういう幅広さを表現したいと思います」と庄野社長のチャレンジはまだまだ続く。

 ●店舗情報

 「自家製麺 MENSHO TOKYO」 経営=麺庄/所在地=東京都文京区春日1-15-9/開業=2014年8月/営業時間=午前11時~午後3時、5時~11時、火曜定休/坪数・席数=17坪・16席(カウンター8席)/平均客単価=900円

 ●愛用資材・食材

 「GABAN ブラックペッパー」 ギャバン(東京都中央区)

 原料や製法が徹底的に管理されたプロ志向の一品。「ブラックペッパーといえばこれ。粒状のものを入れたミルをテーブルに置き、好みに合わせて追加できるようにしています。ラーメンのスープやつけ麺のつけだれにピリッとしたパンチが加わります」(庄野氏)

 規格=各種

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