この新製品に注目:岡山県産牛肉銘柄推進協議会、「つる牛」ブランド化へ
●和牛の元祖、首都圏に初出荷
岡山県産牛肉銘柄推進協議会は、日本最古の和牛種である「つる牛」のブランド戦略を本格始動する。このほど東京都内のホテルで岡山つる牛キックオフ大会が行われ、ブランド戦略の皮切りとして、9月から総生産数860頭のうち70頭を関東・首都圏へ出荷することを発表した。
つる牛は、日本最古の歴史を持つ和牛「竹の谷蔓(つる)」の直系の黒毛和牛種。系統的に世界の牛の中で和牛にしかみられないC型遺伝子の割合が高く、和牛の特異的な遺伝子を色濃く受け継いでいる。このため、赤肉と脂肪交雑とのバランスが良くおいしい和牛肉が若齢で仕上がるという。「竹の谷蔓」は、江戸時代末期に、体格に恵まれた多産の役牛として計画的に育成された品種。全国的に出荷され、肉牛への転換が行われた際に、多くの黒毛和牛種のルーツとなった。
由緒ある血統の和牛であるつる牛だが、今までほとんどが県内で消費されていた。今後は、日本最古の歴史を持つ希少性と高品質を前面に押し出し、高付加価値和牛ブランドとして認知高揚を狙う。
同協議会の草刈完治会長は、「若い生産者も増加しており、懸念されていた生産量の課題にも明るい兆しがでてきた。自信を持ってつる牛を送り出していきたい」と展望を語り、宮地俊明岡山県副知事は、「つる牛を突破口に、岡山の魅力を海外に向けてもアピールしていきたい」とした。