女性店主に聞く!女性をつかむラーメン最前線:麺屋海神 新宿本店 1日300人訪れる隠れ家店

2016.11.07 453号 11面
あら炊き塩らぁめん へしこ焼きおにぎり付き 980円(税込み) 透き通ったスープで、まるで和食の味わいに

あら炊き塩らぁめん へしこ焼きおにぎり付き 980円(税込み) 透き通ったスープで、まるで和食の味わいに

女性のお一人さまが入れるラーメン店を作り上げた遠藤店主

女性のお一人さまが入れるラーメン店を作り上げた遠藤店主

 「あら炊き塩らぁめん へしこ焼きおにぎり付き」980円(税込み) 魚のアラのみ和食風ラーメン

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 ●2階立地も強み生かす

 東京・新宿区で1日300人が訪れる「麺屋海神」は、その日取れた魚介のアラから取っただしをスープにした、「あら炊き塩らぁめん」が人気の店。しかも、男女比は半々で、ラーメン店ながら女性のお一人さまも多い。その理由は、女性も好む優しい味わいのラーメンはもちろん、店舗の雰囲気づくりにもある。

 現在の場所に開業してから9年がたつが、当時、近辺には他にラーメン店は無く、歓楽街も近い“大人の街”だった。加えて、選んだ店舗は2階という立地で「最初は、ここにラーメン店があるなんて思いもよらなかった、とよく言われました」と、遠藤悦子店主は語る。そんな逆境を跳ね返したのは、口コミの力。「味にほれ込んだ常連のお客さまが営業部長になって、さまざまなお客さまを連れてきてくださいました」と遠藤店主。さらに、目立たない2階の立地が、「こんなところにおいしいラーメン屋があるんだよ」と、思わず人に教えたくなる“穴場”として情報拡散を加速させた。

 もう一つうれしい誤算は、2階立地は、表から見えない分女性も入りやすい立地だったということ。「女性は、落ち着いて食べたいという方も多い。表から食べる姿が見えてしまうのを好まない人も多いですし、ラーメン店ならなおさらでしょう」と遠藤店主は理由を語る。

 また、当初から「女性が入れるアットホームな店づくり」を目指し、ホールにも女性スタッフを配置。食券を使わずコミュニケーションを重視した接客で、一人一人の心をつかんでいった。

 味の面でも、女性が喜ぶ要素は多い。その日取れた魚のアラを5種類ほど使用しただしのみのスープは、塩のみであっさりとした優しい味わいに仕上げている。具材にも大葉やミョウガなど、和の素材を多く使用。チャーシューではなく、エビと鶏の2種のつくねが入り、ラーメンらしさは残しつつも、“和食”として完成した味わい。女性にとってもラーメンを食べているという“罪悪感”が無く、何度でも通いたい味わいになっている。

 「女子会も行われる」ほどに女性に愛されている同店は、接客と味、立地を生かすという三本の矢で女性ファンを獲得し続けている。

 ●店舗概要

 「麺屋海神」 所在地=東京都新宿区新宿3357 さんらくビル2階/開業=2007年/営業時間=月~土 午前11時~午後3時、4時30分~11時30分、日 午前11時~午後11時/坪数・席数=15坪・15席/1日平均客数=約300人

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