業務用加工食品ヒット賞 中華部門:マルハニチロ「香火力あおり炒め炒飯」
◆香り強化 300℃で実現
マルハニチロの「炒飯の極み 香火力あおり炒め炒飯」は、家庭用冷食市場で“チャーハン戦争”ともいわれた熾烈(しれつ)な市場競争の最中に、家庭用商品と同時並行で開発された。仕様の異なる家庭用「新中華街 炒飯の極み [えび五目XO醤]」とは製造ラインを共有する。業務用食品部・商品開発課の担当者は、家庭用市場でのせめぎ合いに刺激を受けたと語る。業務用でも競合他社とおいしさで差別化し、市場に刺激を与えることでシェア拡大を狙ったという。
実は16年10月の発売まで、開発に足かけ2年を費やした。市場動向に詳しい惣菜・外食・給食の各業態からニーズをつかみ、協働してコンセプトを固めた後、基礎的な研究を行う中央研究所、装置開発を行う生産管理部との密なやりとりの中で、ライン設計・設置に続き試作と設備の微調整を重ねる日々が続いたという。
コンセプト面では、既存品「あおり炒め中華炒飯」とはポジショニングの異なる、街の中華料理屋の味を追求した。文字通り“炒飯を極める”をテーマに、具材はシンプルに、香りへのこだわりを徹底。醤油と卵の香ばしさで人を引き付ける香りを定着させ、ラードの風味とコクでくせになるおいしさを実現するため、300℃以上の高火力が必要だと分かった。旧ラインの火力上限は約250℃だったため、ライン新設に踏み切る。この香りをコントロールし、強化させる技術開発は業務用が先行して進め、新設備に具体化されていった。
大江工場の新ラインに導入した新技術は“高温あおり炒め製法”と名付けられ、特許も出願中。新加熱システムによる高火力に加え、連続式でなくバッチ式の炒め釜を使う点が大きな特徴。これにより、プロの料理人の手順を忠実に再現することができる。また今回、これまでも監修を得ていた赤坂璃宮オーナーシェフ譚彦彬氏の料理手順を、さらに忠実に再現することが可能となった。プログラム制御による火力調節をより細やかに、炒め動作の範囲もより拡大したため。炒め釜の直径は約160cmと巨大だ。
発売後、既存品とのすみ分けも想定通りに進み、立ち上がりが早い量販店惣菜向けに配荷が急拡大した。高火力で香りの定着が可能になったため、購入客が家に持ち帰ってレンジで再加熱しても香りがしっかりと残る。外食向けでもビアガーデンやゴルフ場、居酒屋やレジャー施設など業態を問わない。足元4~7月の炒飯カテゴリー売上げは、前年同期比12~13%増と好調だ。
規格・荷姿=1kg/6袋×2合
●「ラーメン炒飯セット」
ラード使用でコクとうま味を引き出す
(1)「香火力あおり炒め炒飯」を凍ったまま皿に盛り、電子レンジで加熱する。(調理目安250g・500W約5分)
(2)刻みネギをトッピングする。
●「香火力あおり炒め炒飯(皿盛り)」
「高温あおり炒め製法」でパラッと香ばしく
(1)「香火力あおり炒め炒飯」を凍ったまま皿に盛り、電子レンジで加熱する。(調理目安250g・500W約5分)。
●「えび炒飯」
また食べたくなるクセになるおいしさ
(1)フライパンにサラダ油を敷きエビを炒める
(2)「香火力あおり炒め炒飯」を凍ったまま入れ約4分さらに炒める
(3)盛り付けた上に刻みネギをトッピングする。
●「かにレタス炒飯」
レンジ調理で炒めたてのような香りと食感
(1)「香火力あおり炒め炒飯」を凍ったまま皿に盛り、電子レンジで加熱する。(調理目安250g・500W約5分)
(2)レタスを添えカニのほぐし身(缶詰)と刻みネギをトッピングする。