食品異業種の関心事:ドンキホーテとユニー・ファミリーマート、CVSでも協業
●実験店設け効果検証
ドンキホーテホールディングス(HD)とユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)は、コンビニエンスストア(CVS)のファミリーマートでも協業を始めた。このほど開店した共同実験店で売場づくりや品揃え、運営などで相乗効果を検証。ファミリーマートはドンキの品揃えや売場づくりで集客力の向上を図る一方、ドンキは小型店の運営手法を学ぶ。両社の協業では総合スーパー(GMS)のユニーとのダブルネーム店も好調という。
共同実験店の狙いについて、ファミリーマート営業本部ライン運営事業部の今木誠部長は「どれだけ客数を増やせるか。大きな目標がある」と期待を示す。ドンキホーテHDの竹内三善執行役員は「ファミリーマートの店舗運営で商品や演出をミックスした時にどう化学反応が出るか、どう顧客が満足するか。狭小圏店のノウハウを獲得したい」と話す。
6月1日に改装オープンした共同実験店「ファミリーマート立川南通り店」(東京都立川市)ではドンキの商品2700品を導入し、ファミリーマートの1900品と合わせて4600品を扱う。ドンキのPB「情熱価格」や得意とする菓子や加工食品、ボードゲームなど玩具コーナーや日用品、常温の酒など品揃えを拡充。品揃えを増やすためゴンドラを62台も配置し、高さも180cmの棚にした。円筒の投げ込み什器やつり下げ陳列、大型POPなどドンキ流の演出だ。ファザード看板にも「PRODUCED BY ドン・キホーテ」を入れて共同店舗と示す。
ドンキ商品の供給はドンキの近隣店舗に配送する便を使い、発注もドンキの端末を使う。専任の店舗指導員を2人配置し、きめ細かく管理する。実験店は直営で運営し、立川南通り店の他、大鳥神社前店(東京都目黒区)、世田谷鎌田三丁目店(同世田谷区)の立地が違う3店で実験する。検証期間は未定。
すでにドンキとユニー・ファミリーマートHDの協業ではGMSとディスカウントストア(DS)との融合店「MEGA ドン・キホーテUNY」を展開し、売上げ・客数ともに順調に推移しているという。