72候を楽しむ漢方スローライフ(103)霜始めて降る
木の葉が色づく秋本番(霜降初候 10月23~27日頃)
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朝晩の冷え込みがぐっと増し、初霜が降りる頃。日ごと深まる秋に、木々の葉も鮮やかに色づき始めます。美しい紅葉はもちろん、この時期は果物や木の実、きのこなど、おいしい実りも盛りだくさん。冬の足音が聞こえるまでもう少し、秋本番を満喫したいですね。
●ダイエットは体質改善がカギ
涼やかな気候に、食欲が増す季節。ついつい食べ過ぎて、体型が気になる人も多いのでは?
でも、体調不良や肌荒れを招くような無理なダイエットは禁物。体質を健やかに整える漢方流ダイエットで、元気にキレイをめざしましょう。
漢方では、太る要因は“体質”にあると考えます。太り気味の人に多く見られるのは、「胃腸」が弱っているタイプ。胃腸の働きが低下すると、身体の水分代謝も落ちてしまいます。こうした状態が続くと、体内に余分な水分や汚れがたまり、皮下脂肪の多い“水太り体型”を招いてしまうのです。
●疲れた胃腸を元気に
水太り体質の人は、むくみ、痰が多い、頭重などの不調が表れやすくなります。気になる症状がある人は、まず食生活を整えて。飲み過ぎ・食べ過ぎ、冷たい飲食などが日常化すると、胃腸に大きな負担がかかります。日頃からバランスの良い適量の食事と温かい飲食を心がけ、胃腸を元気にして水分代謝の良い状態を保ちましょう。
体内の余分な水分や汚れは、長く停滞すると“太りやすく痩せにくい”やっかいな体質を招いてしまうことも。「水太りかな?」と思ったら、早めに体質を改善しましょう。
食材は、胃腸を養うタラ、まいたけ、パプリカ、陳皮、余分な水分を取り除くとんぶり、はと麦などがおすすめです。
◆ハレの日薬膳レシピ:タラの蒸し焼きカラフルソース
蒸し焼きにすることで低カロリーに 体内の余分な湿を取り除いて水太りも解消
エネルギー230kcal たんぱく質23.3g 塩分0.9g(1人分)
<材料・2人分>
・タラ…………………………2枚
・まいたけ……………………50g
・いんげん……………………20g
・酒……………………………適量
・塩、こしょう………………少々
〔カラフルソース〕
・えごま油……………………20g
・酢……………………………30ml
・たまねぎ……………………20g
・パプリカ……………………10g
・とんぶり……………………20g
・はと麦………………………5g
・陳皮…………………………2g
・塩麹…………………………10g
<作り方>
(1)タラは酒をふり、軽く塩・こしょうする。
(2)まいたけ、いんげんは食べやすい大きさに切っておく。
(3)はと麦は1時間ほど水につけ、やわらかくなるまでゆでて冷ましておく。フライパンにクッキングシートを敷き、(1)に(2)をのせフタをして蒸し焼きにする。
(4)焼いている間にカラフルソースをつくる。塩麹、えごま油、酢をよく混ぜ合わせ、はと麦、みじん切りにしたたまねぎ・パプリカを入れ、とんぶり、陳皮を加える。
(5)(3)が焼きあがったら皿に盛りつけ、(4)のソースをたっぷりかける。
レシピ=神谷昌江(東京栄養士薬膳研究会)
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24節気72候は、古代中国で始まった暦が日本でも取り入れられ、風土気候に合わせ明治まで使われていました。日々の中に少しずつ感じられる季節の移ろいを、楽しみましょう。