ケンミン食品、焼きビーフンを海外へ 米国皮切りに1000万食目指す
【関西】ケンミン食品は今秋、主力商品「焼ビーフン」の海外輸出をスタートさせる。皮切りとなる米国輸入規制に対応し、専用商品の調味料は牛や豚肉など畜肉エキスから魚介類エキスに切り替えた。グルテンフリーへの関心が高まる富裕層に向けた販売を視野に、小麦粉不使用の醤油を使用。当初(20年)販売目標は100万食だが、アジアや欧州にも販路を広げ、30年には1000万食達成を目指す。(佐藤路登世)
日本の焼ビーフンを世界に普及させることを目指す同社だけに、商品名は「Yaki Be-fun」。めんに味付けし、野菜や肉類と炒め合わせるだけで出来上がる同品は、「海外を含めオンリーワン商品」(高村祐輝社長)だからだ。パッケージには「KENMIN FOODS」と明記し、ケンミンブランドの認知向上も狙う。
販売は、キッコーマンの海外販売会社、JFCインターナショナルを通じて行い、日系スーパーから現地スーパーへと徐々に販路を広げる。米国市場での勝算について高村社長は「現地にはタイ料理レストランが多く、中でも米めん料理の人気は高い。手軽な簡便商品が市販されれば、家庭でも楽しむ人は多いはず」と胸を張る。
アジアの食文化であるビーフンだが、同社は創業以来、日本独特のビーフンを市場に定着させてきた。海外市場開拓を目指し11年、春雨・くずきりの森井食品の米国子会社に出資し販売をスタートしたが、原料供給にとどまり「『ケンミン焼ビーフン』を現地市場に根付かせたい」(同社長)と願っていた。
国内ビーフン市場は近年、拡大基調を強め、直近の5年間も毎年伸長し、18年は、13年との比較で25%も拡大(物量)。同社は、こうした海外展開も視野に主力生産設備の現地子会社、ケンミンタイの増産に取り組み、第3工場が今冬、完成する予定という。