7月13日。今日はもつ焼きの日
7月13日は一般社団法人 日本畜産副産物協会が制定したもつ焼きの日
もつは部位によって味や栄養価は大きく異なる
レバー
牛の内蔵のなかで最も大きいのが、肝臓。脂肪が少なく、肉質は柔らかく、特有のクセがある。栄養価が高く、タンパク質やビタミンA,ビタミンB2、B6、B12、さらに鉄や亜鉛などのミネラル類も豊富に含む。鮮度が命で、ハリとツヤがあり、弾力性に富み、色は赤褐色、またはチョコレート色でくすんでいないものを選ぶ。切り身の場合は、切り口がピンとして角があるものを選ぶようにする。余った場合は牛乳に漬けて冷蔵し、早めに食べることが肝心。血合いに臭みがあるので、きちんと取り除いてから調理するようにする。また生姜やニンニク、酒、醤油などで下味をつけると食べやすくなる。
ショウチョウ
牛の腸の長さは体長の20倍ほどといわれる。他の内臓に比べて硬く、内側に脂肪が多くある。コラーゲンが豊富なのも特徴。下処理としては、内壁をよく洗浄すること。まず内側の脂肪をていねいに取り除き、塩でもみ洗いしたあと、熱湯を通して臭みを取る。次いで3cm~5cmの長さに切り、熱湯でゆでこぼしてから、水洗いし、さらに熱湯に香辛料を加えてじっくり柔らかくなるまでゆでる。
ダイチョウ
大腸は小腸よりも硬いので、下処理では、さらに時間をかけて柔らかくなるまでゆでる必要がある。小腸と同じく、コラーゲンを多く含む。脂肪は濃厚だが、赤身の脂と違い、あっさりしているのが魅力。ムチムチした歯ごたえも人気。
ミノ
牛の第一胃の俗称。見た目が「蓑」に似ていることから「ミノ」と名付けられたとされる。4室のうち一番大きく、肉厚で歯ごたえがある。繊毛が密集し硬いので、下ゆでする必要があるが、ゆでると繊維が硬くなるので、皮をはいで、包丁で切れ目を入れるようにする。スジに直角に切れ目を入れると、歯ごたえがやさしくなる。
上ミノ
第一胃の解くに厚くなった帯状の部位は「上ミノ」といわれる。比較的柔らかいのが特徴。
ハチノス
牛の第二胃の俗称。内壁の粘膜の部分がハチの巣状になっていることからついた名前。調理の前に、香辛料を加えてゆでこぼし、下処理をしておく。あっさりした味わいで食べやすく、独特の弾力がある。
センマイ
牛の第三胃の俗称。内壁がヒラヒラしたひだで何層にも重なり合っておおわれているところから「千枚(qian mei)」という名前がついた。灰色の皮をむいてゆで、ていねいに下処理すると、白くなる。栄養面では、脂肪が少なく、鉄分や亜鉛を豊富に含む。シャキッとした特有の歯ごたえがあり、おいしく味わえる。
ギアラ
牛の第四胃の俗称。通常の胃に当たる部位。黃白色の表面に対して内側が赤いので「アカセンマイ」とも呼ばれる。香辛料とともに2回繰り返してゆでたのち、塩水にとってよくもみ洗いし、ぬめりをよく取ると、口当たりがよくなるとともに、臭みがなくなり、うま味が増す。他の胃の部位に比べて、脂肪が多く、表面がなめらかで薄く、柔らかで、濃厚な味わい。
(日本食糧新聞社『見てたのしい読んでおいしい 中国料理食材事典』(藤木守)より。表現を一部変更)