外食業界TOPICS:広域販売に活路!免許不要の小型レトルト釜 パナソニック産機システムズ「達人釜」
◆小型高温高圧調理機「達人釜(FCS-KM76)」
新しい生活様式で、外食店が経営を安定させるためにはイートイン以外の販路開拓が必要だ。テイクアウトなどが主な取り組みだが、EC販売などによる広域販売に活路を見いだそうという動きもある。そこで注目されているのが、パナソニック産機システムズの小型高温高圧調理機「達人釜」だ。
「達人釜」は、スチコンなどの加熱調理機器では不可能な「101℃以上の温度帯による真空調理」が可能な高温高圧調理機。大型釜に必要な、ボイラー技士などの免許は不要で、電子レンジ並みの簡単な操作でレトルト食品の製造ができる小ロット対応の小型レトルト釜だ。レトルト食品の殺菌レベルはF値で表され、食品衛生法ではF4(121℃で芯温を4分間加熱)以上と規定されており、同機は温度・時間の設定で管理できる。また、別売りの専用プリンタで運転時間、温度推移、F値の記録が可能でHACCPに則した管理にも対応可能だ。
1工程(加熱・殺菌・冷却)は約60分から90分(ただし、真空包装工程は含まず。真空包装機別売り)。200gパウチの場合で、1工程で60~75袋の製造が可能で、1日8時間稼働だと300~375袋を製造できる。完成したレトルト食品は、常温保存・常温物流が可能なため保管・配送コストも抑えられる。本体サイズは全自動洗濯機並みとコンパクト。価格は、国産車並みだが、レトルト食品の開発・製造設備を簡単に導入できると考えればお値打ちな投資だ。
「煮る」「蒸す」「煮込む」などの調理法に適し、塊肉などの硬い部位も軟らかく仕上がる。調理例が多いメニューがカレー。鍋で作る場合と調理温度が異なるためレトルト商品化にはレシピ調整が必要となる。同社ではデモ機による試作づくりのフォローも行っている。