家庭用チルドラーメン、販売増続く 外食代替で高価格帯が伸長
家庭用チルドラーメンの販売増が続いている。新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛などによる巣ごもり需要の影響で家庭用チルド麺全体が拡大。そのチルド麺の中でもラーメンカテゴリーが特に伸びており、特に外食の代替需要として高価格帯の商品が売上げを伸ばしているようだ。ラーメンをけん引役としてチルド麺全体が見直されているようだ。
チルド麺市場は2015年度(4~3月)から減少傾向となっていたが、19年度が4年ぶりに伸長した。第4四半期となる1~3月に新型コロナウイルス感染拡大の影響で需要が急増したことで前年を上回った。
日清食品チルドによるとコロナ禍(20年3月~7月19日までの)のチルド麺市場動向は、前年比2割増と高水準で推移している。カテゴリー別ではラーメンが同3割増、焼そばが同2割増、うどんが同2割増、冷やし中華が同1割増と、全カテゴリーで伸びており、特にラーメンが大きく拡大している。既存ユーザーに加え、新規需要を獲得していることが要因だ。
ラーメンの構成比では汁ありタイプが同3割増、つけ麺タイプが5割増、まぜ麺タイプが同2倍増と、いずれも好調に推移する。
価格帯では定番価格帯の200円未満~150円以上が約4%程度の増加に対して、250円以上が約6%増、250円未満~200円以上が2割以上増加しており、チルド麺の中でも高価格帯商品の伸長が目立っている。
需要の増加は内食化の拡大によって、若年層や単身世帯の新規が増えているという。チルド麺の優位性でもある本格的な麺が味わえることが再評価され、外食ラーメン店の代替としての価値が高まっているようだ。(久保喜寛)