肉トレンド:「焼き」だけじゃない 牛タン料理の可能性にフォーカス!
「トロゆでたん」 968円(税込み) 来店客の3分の1が注文するという名物料理
「山葵たん」 2,508円(税込み)
「牛たんキムチ」 418円(税込み)
仙台の「炭焼牛たん東山」では、一風変わった牛タン料理をメニュー提案している。同店は、仙台の地元に根付いている「焼肉レストランひがしやま」が展開する牛タン専門店。牛肉の真髄を知り得ているからこそ提案できる、同店の進化形牛タン料理は必食だ。
牛タン焼きを看板料理に掲げる「炭焼牛たん東山」が名物メニューとして打ち出しているのが、スープで煮込んだ「トロゆでたん」。牛タンをゆでる料理というと、タン先などの硬い端材をゆで、塩、コショウなどでシンプルに食べさせる手法が主流だろう。しかし同店の「トロゆでたん」は、上質の部位であるタン元を使い、まったく新しい牛タン料理に仕上げている。タン元を牛肉ベースのブイヨンスープで約8時間、軟らかく煮込み、熱々の煮立った状態で提供。箸で簡単にほぐれるほどとろとろの牛タンにたっぷりのネギとワサビを添え、スープに浸して食べるという新感覚の一皿なのだ。
同店の「山葵たん」も、牛タン料理の新しい潮流に発展しそうなメニューである。こちらもタン元を使い、表面はカリッと香ばしく、中はレア状態に焼き上げ、野菜のだしでまろみを加えたポン酢と青ネギ、ワサビをのせていただく。12切れも盛られたぶつ切り状の牛タンが厚切りレアステーキそのままのぜいたくさで、満足度はすこぶる高い。
また、「牛たんキムチ」は、さらに珍しい。スープのだしをとるのに使用した端材の牛タンをミンチにし、キムチのような辛い調味で仕上げた。もとは食品ロスをなくすために考案された一品だが、だしをとった後の牛タンをミンチにすることで、キムチ風の辛い調味がしっとりと染みて味わい深い。箸に付けてなめるように食べると、お酒が進む。
同店を展開する(株)ひがしやまの中山栄一代表取締役は、「仙台のソウルフードである牛タンの食文化をいっそう豊かに発展させ、全国に広めたい」と思い、「炭焼牛たん東山」を立ち上げたという。その思い入れの通り、同店が提案するアレンジメニューの豊かさは見事。牛タン料理はまだもっと進化できる、と感じさせてくれる。
●店舗情報
「炭焼牛たん東山」仙台本店
所在地=仙台市青葉区中央2-6-30/坪数・席数=16坪・24席/1日平均集客数=約300人/平均客単価=1,800円
「炭焼牛たん東山」は北海道、名古屋、大阪、島根、広島など、直営店6店、FC店8店を展開(21年4月現在)。フランチャイズ加盟店を募集中