メニュートレンド:超濃厚クリーム系パスタのみで勝負
たらこパスタ専門店やミートソースパスタ専門店など、ソースの専門性を高めたパスタ店が近年急増している。そうしたトレンドをさらに加速させるように登場したのが、クリームソースに特化した東京・代々木上原の「白系スパゲッティ」だ。クリーム系パスタの代表格である「カルボナーラ」と、完全オリジナルなチーズパスタ「チンクエフロマージュ」の二本勝負で注目を集めている。
●お皿一面“純白”なインパクト 味変と追い飯で楽しみ方は多彩
「カルボナーラ」と「チンクエフロマージュ」は、愛知・名古屋の人気イタリアン「クォーコ・ディ・マーレ」の高木雅規シェフが監修したもの。日本各地のカルボナーラを食べ歩いたオーナーがほれ込んだことから、コラボレーションが始まったそうだ。
「最初にオファーしたときは、カルボナーラは再現性が難しいと断られたのですが、オーナーが何年も通いつめてようやく実現したんです」と、広報担当の中野勝太さんは苦労を語る。
カルボナーラは生クリーム濃度の高い芳醇なコクとベーコンのうま味のバランスが絶妙。まさにリストランテ品質の濃厚さだ。また同店オリジナルのパスタ「チンクエフロマージュ」とは、5種類のチーズを意味する通り、カマンベール、ゴーダ、ラクレット、パルメザン、クリームチーズを配合した、チーズ好きにはたまらない一品。ゆっくり食べているとチーズが固まってきてしまうほどのチーズ比率で、芳醇なコク深さを堪能できる。
2品のソースはセントラルキッチンで仕込み、店舗では注文を受けたらフライパンで温めてパスタを絡めるだけのシンプルオペレーション。6席ながらワンオペでも提供時間8分をキープできるよう考え抜かれている。パスタはゆで時間9分の乾麺を、あえて6分40秒に設定して硬めのアルデンテにゆで上げる。これが濃厚クリームソースでも最後までもたれることなく食べ切れるすっきり感のポイント。皿に盛り付けた後にイタリアチーズの王様とも称されるパルミジャーノ・レッジャーノをたっぷり削り、完成だ。
個性的なのが、実に9種ものバリエーション豊かなトッピングだ。「初来店のお客さまは、全種類を少しずつ食べてみる方がほとんど。ただ常連客のお客さまになると刻み海苔一択の方が半数以上ですね」と中野さん。
閑静な住宅街という立地ながら、昼時はウエイティングができる人気ぶりで、来店客の6割を男性が占める。またテイクアウトやデリバリーの需要も高く、売上げの5割に及んでいる。
「6月からは高木シェフ監修の新メニュー『明太クリームスパゲッティ』を提供開始します。また通信販売も開始しています。店舗、デリバリー、通販の三本柱で売上げを最大化できるブランドに育てていきたい」と中野さんは展望を語る。
●店舗情報
「白系スパゲッティ 代々木上原店」
経営=K2W&Co/店舗所在地=東京都渋谷区上原3-23-3/開業=2020年7月/坪数・席数=3坪・6席/営業時間=11時30分~15時、16時~20時(LO19時)※4月20日現在、変更になる場合あり。不定休/平均客単価=1500円
●愛用食材・資材
「タルトゥフランゲ社サマートリュフオイル」 輸入元=佐勇(東京都港区)
トリュフの高級感を手軽に
「実はオーナーがプライベートでも愛用している香味オイル。この香りをもっと広めたいと考えたことがきっかけでトッピングに採用しました」と広報の中野さん。少量かけるだけで芳醇なトリュフの香りが広がり、料理のグレードを格段に高めてくれる。クリーム系パスタとの相性は抜群で、100円の有料トッピングとして提供している。タルトゥフランゲ社はイタリア・ピエモンテを本拠とする世界屈指のトリュフメーカー。
規格=100ml
【写真説明】
写真1、2:パスタにはスープ、ピクルス、ジャスミンライス、アイスをセットで提供。残ったソースにライスを合わせてリゾット風に締める食べ方を提案する。また2品の他にカルボナーラには刻んだ青唐辛子を、チンクエフロマージュにはおろしワサビを加えたパスタもオンメニュー