デザート特集・意識調査 “太る”ので食べるに食べられない洋系
主婦がデザートに食べたいと思っている食品のベスト4は果物、ケーキ、アイスクリーム、大福。同時に本当は食べたいが控えているものもケーキ、チョコレート、大福、アイスクリーム。「太る」ことを気にする主婦はカロリーや糖分が気になり、食べたくても食べられないのがデザートのようである(表1)‐‐(株)紀文食品(東京都中央区、03・3544・2751)が昨年首都圏の主婦やヤングを対象に「デザートに関する意識実態調査」を実施した結果明らかになった。市販用デザートが対象の調査であるが、消費者のデザートに対する意識が克明に表れているため、ここに紹介する。
デザートを連想する場面は「普段の食後」が一番で、日常の食卓にすっかり定着。食後の喫食率も夕食だけで平均一六・三回/月と二日に一回はデザートを食べており、「ほとんど毎日」も四一%に達する。(グラフ1)
食後にぴったりのデザートのベスト10上位は主婦が果物、アイス、フルーツポンチ、杏仁豆腐、ヨーグルトで、ヤングは果物、アイス、フルーツポンチ、ゼリー、プリン。意外にも「ケーキ」が主婦のベスト10にも入らず、ヤングでも九位にとどまっているのに対し、「杏仁豆腐」や「ナタデココ」「タピオカ」など、オリエンタルデザートがベスト10入りしていることが注目される。(表2)
デザートにかける一週間の費用は平均二二〇〇円と、かなりの家計費がデザートに費やされている。(グラフ2)
また、本当はケーキやアイスクリームを食べたいが控えている主婦の姿や、母親が子供に食べさせたいデザートは果物、ヨーグルトなど健康イメージの強いものであるのに対し、子供はアイスやケーキを食べたいと思っているなど、デザートに関する母子のギャップも浮かび上がっている。(表3)
ベスト10でのランキングで明らかな通り、日本人にとってのデザートは欧米風の「ゼリー」なども含まれるが、「ケーキ」や「クッキー」などの焼き菓子が少なく、「杏仁豆腐」や「ナタデココ」など、甘くさっぱりした口あたりのものが好まれる傾向にあり、日本独自のデザート観が形成されつつあるようだ。
こうした結果から、デザートの今後を占う上で「食感=新しいおいしさ」と「アジアへの注目」がポイントとなることがうかがわれる。
「食感」では、グミやナタデココ、こんにゃくゼリーなど、新しい食感を楽しむ食品が続々と登場し、定番化しつつあることが挙げられ、今後もそうした新しい食感を楽しむ食材の登場が予想される。
「アジアへの注目」では昨今のエスニック料理やトロピカル料理などへの注目でも明らかで、デザートでも杏仁豆腐やナタデココ、タピオカなどアジア生まれの食材が定着してきており、今後もこんにゃくゼリーやアジアのフルーツなどをアレンジした食材の登場が予測される。
「流行、おしゃれな気分、食感、ダイエット、話のタネ、価格と、主婦から若い人まで欲張りな女性のニーズに合うのが、アジア系デザートではないのか」(料理研究家・栗原はるみ氏)と見られている。