「天使と悪魔の誘惑鍋」　2,948円（税込み）　天使と悪魔の出汁、8種の肉、国産野菜、おつまみ等60種類食べ放題。22年1月26日までの期間限定メニュー

写真2　（左）＝「悪魔の出汁」　（右）＝「天使の出汁」

「追いシビ辛」　110円

「追いクリーム」　110円

　◎着眼キーワード：無限ループの体験価値

　●エンターテイメント性ある鍋提案

　コロワイドグループのレインズインターナショナルが運営する「しゃぶしゃぶ温野菜」では、22年1月までの期間限定で「天使と悪魔の誘惑鍋」を販売している。通常メニューの「選べる2色鍋」では、和牛だし、三代目極みだし、12種の薬膳だし、根昆布だし、旨辛火鍋だし、豆乳だし、すき焼きだし、担々だし、塩もつだしの中から好みの2種類を注文する。今回の「天使と悪魔の誘惑鍋」は2色をセットにして楽しむメニュー。ほんのり甘い「天使の出汁」と、シビ辛の「悪魔の出汁」を交互に食べることで2つの味が引き立て合い、後を引いて無限ループに陥ってしまうという誘惑鍋の提案だ。

　同店ではこれまでも期間限定の差し込みメニューで、さまざまなだしを展開してきた。そのメインターゲットは同店のコアな客層である30代女性で、少し高価格帯の特別感ある提案が主流だったという。しかし、今回は同店への来店機会がまだない20代の層を意識し、“無限ループで楽しめる”という「体験価値」を前面に打ち出した。2色のだし汁にはそれぞれ、悪魔と天使の形に型抜きされたはんぺんが浮かんでおり、撮影した写真のSNSアップも必至。天使鍋にはホイップクリームの追いクリーム、悪魔鍋には唐辛子の追いシビ辛を用意しているという趣向も楽しい。友人グループで「やばい、止まらないー！」と盛り上がるイメージが思い浮かび、連れだっての来店を促す魅力抜群だ。

　友人同士での外食をためらう空気感がまだうっすらと残っている現状、こうした「外食ならではの特別な体験価値」こそが今、外食店には最も求められている。

　【写真説明】

　写真2：「悪魔の出汁」同店史上最も辛い汁。3種の唐辛子、山椒、ブラックペッパー、ラー油を合わせ、味噌とオイスターソースでコクを加えた後を引く味わい／「天使の出汁」豆乳をベースにクリームを加え、ふわっとした食感でほんのり甘い味わい。ショウガが味に絶妙なメリハリをつけている