業界NEWS:「日本飲食団体連合会」設立 強い業界団体が必要 連携して声を上げる文化を

2022.02.07 516号 08面
飲食業に関わる団体、協会が集結した連合会が発足

飲食業に関わる団体、協会が集結した連合会が発足

 飲食業界に新たな業界団体「一般社団法人日本飲食団体連合会(食団連)」がこのほど設立された。飲食企業や専門店など飲食業に関わる14団体が共同で立ち上げ、1月現在、参加を表明している団体、協会を合わせると30団体以上、店舗数では数万店に及ぶ業界随一の連合団体になる。食団連は個人店や小規模店から、数十店舗規模の中堅グループ企業を中心に構成され、大手を主体とする既存団体の日本フードサービス協会(JF)とは一線を画す。

 コロナ下で繰り返されてきた飲食店への厳しい制限による業界の危機感が大きな契機となり、食団連の設立に至った。1月に東京・池袋のワールドインポートマートビルで行われた団体設立報告の記者会見では、会長の服部幸應氏(全国調理師養成施設協会)、副会長の佐藤裕久氏(日本ファインダイニング協会)、山下春幸氏(日本飲食未来の会)らが登壇。服部会長は「苦しんでいる外食産業をずっと見てきた。行政にも何度となく訴えてきたが、(飲食店への措置は)変わらなかった。飲食団体を強くする必要がある」と語った。

 佐藤副会長は「小さな1店舗経営の事業者から何十店舗も展開するグループまで、多岐にわたる飲食団体の連合は初。今こそ業界内で意見をまとめ、政府、行政に正しく伝えていかなくてはならない。ひっ迫した状況下の団体結成だ」と述べた。

 二之湯武史専務理事(食文化ルネサンス)は、「こうした緊急事態で大きな政策が決められるとき、他業界の例では当事者となる業界団体などの意見を聞かずに進めることはない。徹底的に議論をする。しかし、飲食業界には連携して業界の声を届ける文化が醸成されておらず、その弱さがあった」と、業界特有の問題点を指摘し、「この団体設立を機に、政策意見の交換ができる文化を、この飲食業界で根付かせたい。政府、行政に対して、しっかりと政策提言を行っていく」とした。

 食団連は今後、個人店、小規模店から中堅大手を中心に幅広く声を集め、コロナ収束後も日本の食文化を未来につなげる活動を展開する。

 【日本飲食団体連合会(食団連)組織体制】

 会長=服部幸應(全国調理師養成施設協会)/副会長=村田吉弘(全日本・食学会)、佐藤裕久(日本ファインダイニング協会)、山下春幸(日本飲食未来の会)/専務理事=二之湯武史(食文化ルネサンス)、秋元巳智雄(日本ファインダイニング協会)/事務局長=高橋英樹(日本飲食業経営審議会)/理事=脇屋友詞(日本中国料理協会)、高橋淳(大阪外食産業協会)、柴泰宏(繁盛店への道)、米田肇(食文化ルネサンス)、里井真由美(フードジャーナリスト、アナリスト、農林水産省食料・農業・農村政策審議会委員)/監事=安田幸一(みかさ監査法人)

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