多忙でも読める外食ニュース

2022.11.07 525号 04面

 ●横浜“伝説の店”跡地、イタリアン店オープン

 かつて横浜の新山下にあった倉庫を改造した大型レストラン「タイクーン」の跡地に、新しいレストラン「リジャーナル」がオープンした。運営は、横浜に本社を置きリユース事業などさまざまなビジネスを展開するGRACE。同社が横浜エリアを中心に展開するカフェブランドのレストラン業態という位置付けだ。料理は創作系のイタリアンで、かつての店舗全体を使用するのではなく海沿いのテラス席など80席ほどで営業。すでにランチタイムは予約で満席だという。

 解説=「タイクーン」はバブル経済の絶頂期であった1989年に西武百貨店が開業した超大型レストラン。当時のセゾングループは最新のカルチャーを発信する流通企業として知られ、外食分野でも注目の店舗を数多く生み出していた。

 ●大型アウトレット、10年ぶりに開業

 埼玉県深谷市に三菱地所・サイモンが運営するアウトレットモール「ふかや花園プレミアム・アウトレット」が開業。同ブランドでは、千葉県の酒々井に次ぎ約10年ぶりの出店となる。総テナント数は140店舗弱だが、そのうち飲食・食物販が約40店舗と大きな比率を占め、アウトレットモールに初めて出店するブランドも多い。施設内にはフードホールも設けている。「プレミアム・アウトレット」は三井不動産の「三井アウトレットパーク」と並ぶアウトレットモールの大手ブランド。

 解説=近年はアウトレットにハイブランドが多く出店し、利用客も低価格のみを求める客層ではなくなった。そうした中で、飲食店も独自で集客できるブランド力の高いテナントが増えており、出店ブランドの顔ぶれも変化している。

 ●シダックスTOB、今夏からの混乱収束

 今夏から続いていたシダックスに対するTOBの混乱が収束へ。8月に食品宅配のオイシックス・ラ・大地が投資会社ユニゾンの持つシダックス株の取得を目的としてTOBを開始した。しかし、シダックスの取締役会が反対したため敵対的TOBとなり、ユニゾンがTOBへの応募をしないと発表して紛糾していた。関係者間の協議により、TOBの成立後に対外的な協業に関して検討する特別委員会を設けるなどの取り決めを行うことで、取締役会が中立の立場に変わりTOB成立へと動いた。

 解説=今回の発端は2019年シダックスが経営改善のためユニゾンから出資を受けたことに始まる。この時、譲渡した株式を買い戻す契約のためTOBが行われたが、創業家以外の取締役会が外食事業の扱いを巡って異議をとなえた。

 ●プロ野球ファイターズ、新球場に飲食横丁

 プロ野球球団「北海道日本ハムファイターズ」のホームグラウンドとして来年開場する野球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」に、横丁スタイルの飲食ゾーンが設置される。「七つ星横丁」と名付けられたこのゾーンは共有客席も含めて400席ほどの規模となり、日本各地から集められた人気の飲食テナントが約10店舗入居、営業は試合日や夏季休日のみを予定しているという。施設の運営は、球場の保有と運営のために設立された新会社ファイターズスポーツ&エンターテイメント。

 解説=プロ野球の球団が運営する外食施設としては、「埼玉西武ライオンズ」の運営会社、西武ライオンズが所沢駅の商業施設「グランエミオ所沢」内で営業する公認レストランなどがある。同店は今年9月にリニューアルしたばかり。

 ●「かっぱ寿司」社長、逮捕で交代へ

 コロワイド傘下で「かっぱ寿司」を展開するカッパ・クリエイトは、以前勤めていた競合する「はま寿司」の営業秘密を不正に持ち出した疑いで警視庁に逮捕された前社長の田邊公己氏に代わって、取締役の山角豪氏が代表取締役に就任したと発表。田邊氏から辞任の申し出があり、これを受理した。山角氏はコロワイドグループの事業会社「アトム」でも社長を務めている。また、田邊氏の不正競争防止法違反に関しては両罰規定により法人としてのカッパ・クリエイトも書類送検されている。

 解説=一部テレビが、「競合店の売上げがわかれば出店を決められる」などと報道していたが、外食企業の店舗開発はそれほど単純なものではないだろう。しかし、もし前職企業の営業情報を不正に受け取っていたのであれば重大な犯罪だ。

 ●「鳥貴族」が九州進出、博多に初出店

 焼鳥の「鳥貴族」が「博多筑紫口店」を出店し、九州に初上陸した。これを記念して、一部を除く各店舗で九州にちなんだ3品の期間限定メニューを販売。同ブランドは現在、関西・関東・東海で619店舗を展開している。

 ●豚肉の焼肉新業態、川崎にオープン

 GYRO HOLDINGSの傘下にある事業会社サブライムが、新業態の豚焼肉専門店「豚焼肉 金豚KINTO」を神奈川・川崎に出店。銘柄豚の「和豚もちぶた」などを含め、豚肉のさまざまな部位を焼肉として提供する。

 ●マクドナルド、プラスチック削減へ

 「マクドナルド」が、全国の店舗で紙製ストローと木製のスプーン、フォーク、ナイフ、マドラーのへの切り替えを開始。ごく一部の商品を除き、全店で順次切り替えを進める。これにより年間900tのプラスチックを削減することになるという。

 ●ポトマックが神戸出店、物販カフェの新業態

 ポトマックが、創業ブランド「TOOTH TOOTH(トゥーストゥース)」の派生業態「トゥーストゥースマート ストア&カフェ」を本拠地である神戸・元町に出店。スイーツやシャルキュトリーなどの食物販や、雑貨の販売も併設したカフェ。

 ●KFCの「サンド」が「バーガー」に名称変更

 「ケンタッキーフライドチキン」は、従来「サンド」と名付けていた商品の名称を「バーガー」に変更すると発表。定番の「バーガー」は5種類になる。初代の「チキンフィレサンド」が登場してから40年という節目で、知名度を向上させる狙いという。

 ●お好み焼き「千房」焼そば店出店

 お好み焼き専門店「千房」を展開する千房ホールディングスが、新業態の「鉄鍋まぜ焼そば 鐵(くろがね)」を大阪のイオンモールでフードコートに出店した。注文後にゆで上げた麺を、鉄鍋の中で複数のソースや具材と絡めるスタイルで提供する。

 ●「牛角」アップグレード成城学園前に新業態

 レインズインターナショナルが「牛角」の派生ブランドとなるアップグレードな新業態「牛角 成城学園前」を出店。こだわりの黒毛和牛をリーズナブルな価格で提供するほか、和牛サーロインや和牛シャトーブリアンなど少し贅沢なメニューも用意。

 ●トラフグ「玄品」店舗内で新業態展開

 トラフグ専門店の「玄品」を展開する関門海は、若手社員が考案した新ブランド「焼きの福〃太郎(ふぐたろう)」を、既存の「玄品本町店」にカウンター席限定でオープンした。フグのさまざまな部位を、酒のつまみにもなる焼きフグとして提供する。

 ●ココイチ、海外店舗のメニュー逆輸入新店

 「CoCo壱番屋」が、東京・京橋に海外店舗で提供しているメニューを逆輸入した新店を出店。食肉由来ではないカレーソースやキノコ類のトッピングなど、国内では同店でしか食べられないメニューを揃える。また、店舗のデザインも海外仕様で店名も欧文表記とした。

 ●老舗「イノダコーヒー」ファンドで事業継承

 京都の老舗喫茶店「イノダコーヒ」が、事業継承を目的としてファンドに株式を譲渡した。代表取締役会長である猪田浩史氏がアント・キャピタル・パートナーズの運用するファンドと契約。同店は創業から80年以上の歴史を持ち、京都や関東などに9店舗を展開している。

 編集協力:株式会社EATWORKS(入江直之、岡野恵子)

 http://www.eatworks.com/

 ※記事は一部の固有名詞を省略

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