メニュートレンド:湯葉で包んで焼く驚きの発想 米粉でグルテンフリーに変更
最近の小麦粉価格の高騰は、お好み焼きに代表される“粉もん”の店には大打撃。原材料を見直す店も見受けられるが、いち早く小麦粉に頼らない商品を開発しているのが京都の「いっかくじゅう」だ。すべてのお好み焼きが米粉使用のグルテンフリーで、湯葉を取り入れた新メニューも考案。よりヘルシーで京都感ある商品として人気を集めている。
●“体によいお好み焼き”提唱
京都市内で2店舗を展開する「いっかくじゅう」は、2006年創業。当初は小麦粉を使っていたが、小麦アレルギーの子を持つ客の要望からグルテンフリーのお好み焼きを開発。18年にはお好み焼き全メニューをグルテンフリーにチェンジした。
活用するのは、契約農家が生産する「にこまる米粉」。きめ細かく、生地に合わせるときの扱いやすさも魅力とか。「うちは、粉が主体の一般的なお好み焼きとは違うため、切り替えの苦労は少なくて済みました」と、代表取締役・鈴木雄大さん。
生地のベースは、昆布と数種の魚節からとるコクのあるだしと、たっぷり使用する粘り気の強い山の芋。そこに、米粉を加えて生地をまとめるのが同店のスタイルだ。千切りキャベツや卵、具材を混ぜて焼き上げ、外はカリッ、中はフワトロの食感に仕上げている。
21年に登場し、今では大人気の看板商品が「京湯葉のお好み焼き」。タンパク質が豊富な湯葉を随所に取り入れた自信作だ。生地には、甘辛く味付けした生湯葉やエビなどを混ぜ込み、鉄板に敷いた生湯葉にオン。ふんわりと包み、蓋をして蒸し焼きにする。豆乳と野菜だし、白味噌で作る白いソースをかけ、乾燥湯葉をトッピングすれば完成だ。
「一番伝えたいのは『体によいお好み焼き』ということ。新たな味も追求し、健康的な食事の喜びと感動を提供したい。目標は、市内各区への出店です」。納豆や九条ネギ、トリュフオイルを使う新商品も考案中で、通販での販路拡大も目指し、タッグを組めるOEM業者を探しているという。
●店舗情報
「いっかくじゅう 四条新町店」
経営=いっかくじゅう/店舗所在地=京都市中京区小結棚町435/開業=2018年10月/坪数・席数=20坪・24席/営業時間=11時30分~23時。無休/平均客単価=3500円/1日平均集客数=40人
●愛用食材・資材
「生ゆば」 ゆば庄(京都市南区)
信頼感ある老舗の味と質
「京湯葉のお好み焼き」で愛用するのが、老舗の湯葉店「ゆば庄」製の同品。生湯葉は日持ちしにくいため、入荷後は店で冷凍し、使う前に自然解凍して使用。生地を包む大きさにカットし、残りは具材に活用する。「このお好み焼きは、ゆば庄さんと相談しながら工夫を重ねてできたもの。味・品質共に信頼感ある商品です」と鈴木代表は語る。
規格=10枚