2022年12月度、外食動向調査 フードコンサルティング
●13ヵ月連続で回復傾向に
日本フードサービス協会が発表した外食産業市場動向調査によると、2022年12月度売上げは前年同月比108.6%となり、13ヵ月連続の増加となった。客数は前年同月比0.8%増、客単価も7.7%増となった。
コロナ第8波が懸念材料ではあったが、3年ぶりに行動制限のない年末となったこともあり、右表記載の通り「居酒屋」「焼き鳥」業態もおおむね好調で、少人数での実施が大半を占めながらも忘年会の機会が増えたことが確認できる。さらに「ひらまつ」「WDI」「グローバルダイニング」やファミレス業態など、クリスマス期間中のディナー需要をうまく取り込めた先が好調であった。
●繁盛店の強さの源
先日、マナー資格運営団体の代表を務める知人と会食の機会があり、3年にわたるコロナ禍を経ながらも繁盛店として復活を遂げつつあるお店の特徴について話題となった際、以下の指摘があったのでご紹介したい。聞くと当たり前と感じるが、自店でどこまでできているか振り返るヒントになればと思う。
(1)店長、オーナーが明るい、気さくで元気
これは飲食業に限ったことではないが、職場や部門のリーダーが明るい、気さく、元気な方が、スタッフも余計な緊張感を強いられないため、自然と笑顔が出てくることは納得できる。スタッフの自然な笑顔は、お客さまにも良い印象を与え、お店の雰囲気も良くなることは自然な流れだ。
昔からある頑固おやじの居酒屋や、気難しい板長のいる寿司屋など、お客さまに気を使わせるような店は、年配の常連客はひいきにしていても、一見客や若い客層、ましてやインバウンド客には拒絶反応しかないであろう。
(2)常に清潔感をキープ
店が古くても、清掃が行き届いていれば清潔感は保てる。この当たり前が徹底できていないお店が意外と多い。
営業中、お客さまの入れ替わりのタイミングで清潔感をキープできているか。特に床や座席まわり、トイレなど、目に付きにくいスペースに気を配りたい。
(3)「賄い(まかない)」に工夫がある
スタッフの仕事合間の食事であるが、その時々で余った食材や、日替わりメニューの簡易版などを賄いとして提供するケースも多いであろう。しかし知人が研修で訪問している繁盛店は、スタッフの賄いをさまざまに工夫して提供しているそうだ。たしかに、おいしくバラエティーに富んだ賄いは、スタッフを大切にしている証であり、スタッフも喜ぶはずだ。
以前、焼肉の名店「叙々苑」の新宿のお店で、スタッフがおいしそうな賄い(ビビンバに焼肉が乗ったような感じ)を持って笑顔で移動しているのを見たことがあり、イタリアンの老舗「アルポルト」でも、和風の賄いを出す日もあると聞いたことがある。賄いを少し工夫するだけで、スタッフのモチベーションアップ=生産性向上につながるのであれば、すぐにでも取り組むべきではなかろうか。