漢方スローライフ 季節と一緒にいい加減(157)穀雨 眠れない春は香るセロリを
●24節気 穀雨(4月20~5月4日頃)
4月に入り昼間の時間が長くなると活動が活発になり、心地よい疲労からよく眠れるようになります。これが「春眠暁を覚えず」ですが、一方で春はなかなか眠れないという人も。
穀雨は、春雨が百穀を潤し芽を出させる季節。南からの湿った空気が雨をもたらし、それが止むと今度は高気圧が通過するというように、天気が周期的に変わります。高気圧に覆われた日はまるで夏のような日差しです。1日ごとの気温差だけではなく、1日のうちの気温差も大きく、それで気持ちが不安定になって眠れないということも。
そんな時は軽い運動やぬるめのお風呂、気分を落ち着かせる食べ物を。例えばセロリ。独特の香りは「アピイン」と「セネリン」という2つの成分からで、精神を落ち着かせる沈静効果があるとされます。
●ごうんろっきで気象うらない
五運六気・2023年(癸卯年)
主気が少陰君火、客気が少陽相火と火気が強まり例年より暖かいかもしれません。
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五運は、5惑星「木(風)・火(暑、熱)・土(湿気)・金(乾燥)・水(寒)」をなぞらえた天の気。六気は、地球の地の気である「風・寒・暑・湿・燥・火」。この組み合わせで24節気ごとに巡ってくる気象と、それが私たちの身体に及ぼす影響を予想するのが「五運六気」。
◆セロリと香味野菜のチキンロースト
香りで気巡り、イライラ改善
エネルギー455kcal たんぱく質25.5g 塩分1.7g(1人分)
〈材料・2人分〉
・セロリ……1/3本
・にんじん……3cm
・たまねぎ……1/4個
・鶏むね肉……小1枚(約250g)
・塩麹……大さじ2
・オリーブオイル……大さじ2
〈作り方〉
(1)鶏むね肉は2つに切ってから、左右に切り込みを入れ広げて(観音開き)薄くし、塩麹半量をからませ、30分おく。
(2)セロリは葉と茎に分け、葉はみじん切り、茎は3cmのせん切りにする。にんじんはせん切り、たまねぎは横半分にしてスライスする。
(3)フライパンにオイル半量をひいて、セロリの葉以外の野菜を炒める。残りの塩麹を混ぜて、ボウルに取り出す。
(4)フライパンに残りのオイルをひき、(1)の鶏むね肉を両面2分ずつこんがり焼く。
(5)(3)の野菜を肉の上に広げてのせる。フタをして2、3分蒸し焼きにする。熱いうちにセロリの葉をちらす。
●セロリ Celery
【栄養学】香り豊かでリラッ気象うらないクス効果があり、ストレス解消にも良いといわれています。カリウムが豊富で降圧作用も。
【薬膳学】春に高ぶりやすい肝をしずめ、ふらつきやイライラを抑えます。香りが気の巡りを良くします。
東京栄養士薬膳研究会 管理栄養士・国際薬膳師 岡本正子(レシピも)