業界TOPICS:PBFの疑問・不満解消 外食でも熱視線 グリーンカルチャー
肉やチーズ、バターや卵などの動物性食品を、大豆やエンドウ豆などの植物性素材で再現するプラントベースフード(PBF)。中でも植物肉は、焼肉やハンバーガー、串カツなどの有力チェーンが続々と定番化するなど、外食分野でも熱視線が注がれている。植物肉「Green Meat」を手掛けるグリーンカルチャーは、国内PBFを支えるフードテックベンチャー。「どんなメニューができるの?」「調理が難しいのでは?」-そんな疑問や不満を解決すべく、多彩な視点で店舗活性化に役立つ取り組みを推進中だ。
同社は2011年、ベジタリアンフードの専門通販店として創業。運営する「グリーンカルチャー ONLINE STORE(旧グリーンズベジタリアン)」(https://www.greenculture-store.jp/)は国内最大級のベジタリアンフード販売サイトで知られ、取引実績は実に36万件以上に上る。これらの膨大な取引で得られた情報力を生かし、近年では植物肉開発でも存在感を強く発揮。創設した金田郷史氏はフードテック分野を代表する若手経営者で知られ、「健康と地球とずっと。」をミッションにさまざまなPBF製品の開発・提案・領域拡大に打ち込んでいる。
外食分野での植物肉製品でも多彩な品揃えを用意するが、昨今のさまざまなニーズを受けラインアップは大きく分けて、(1)現場で調理する「素材」型製品(2)ワンクイックで商品化が可能な「メニュー」型製品の2タイプに分類される。今回は、人手不足や簡単調理、気軽なメニューのラインアップ化などに対応する「(2)メニュー型製品」をいくつか紹介したい。
まずは、突き詰めると卓越した熟練の技やこだわり素材が必要な「ピザ」。同社では解凍後、オーブン加熱のみで提供が可能なプラントベースピザ「Green Pizza」(ジェノベーゼ・ナポリの2品)を展開する。野菜や植物由来チーズを複数種類組み合わせることで、ピザメニューに求められる満足感やコク、アツアツ感などをいずれも実現。ハイレベルな製品設計でレストランや料飲店など各方面で反響を得ている。ピザメニューは今後、回復・増加が見込まれる外国人観光客向けにも重要性が増すことが予想されており、現在、バージョンアップにも鋭意取り組み中だ。
ワンクイック品ではこのほか、揚げるだけで即提供可能な「Green 唐揚げ」「Green 春巻き」、蒸すだけでOKな「Green 焼売」「Green 小籠包」、焼くだけの「Green 餃子」も人気製品。アルバイトでも簡単に調理でき、業態を問わず活用が可能なことはもちろん、おいしさと健康感を両立することから、引き合い上昇中だ。
事業者向け仕入れサイト「グリーンカルチャーBtoB」(https://greenculture.jp/)ではこのほか素材型製品を含め、多彩なプロ向け製品が揃う。ラーメンスープやカレー・シチューなど他社製製品も取り扱っており、関係者必見だ。
今後は求めやすい価格実現に向けた各施策や、植物性食品の健康的価値の研究なども進める。外食産業向け提案は、消費者接点の強化にもつながる重要なミッションとして位置付けており、独自視点で店舗や調理現場を応援していく方針だ。