食品産業文化振興会、メタバースの現状と今後テーマに開催 Urth・田中社長が講演

田中大貴社長

田中大貴社長

 日本食糧新聞社が主催する食品産業文化振興会は3月31日、講師にUrth(アース)社長の田中大貴氏を迎えて「食品産業におけるメタバースの展開 現状と今後」をテーマに東京・八丁堀の食情報館で例会を開催。田中社長は「メタバースとは仮想空間、何でもできる新しい空間ではなく、ホームページやSNSなどのユーザーとの新しいコミュニケーションツール」と位置付け、「従来の提供価値に少しだけリアル要素が入ったもの」と説明した。そのため企業はメタバースを活用することで「1対1と1対多数の複合的なコミュニケーションをユーザーと行うことができ、新しいマーケティング施策としての効果が得られる」とした。

 メタバースの活用方法としては業界によって大きな相違点はないと見て、「食品業界でも(1)新しいツールを開始したという対外的なアピール(2)展示会など不特定多数のユーザーとの接点創出(3)ロイヤルユーザーとのファンコミュニティー作り(4)自社ブランドの理解を促す場所・採用イベントの開催(5)オンライン上でのリアル並みの体験を提供する場所(6)新しい情報発信場所(7)表彰式など社内イベントの開催場所–といった同様な使い方がされるだろう」とした。

 すでにメタバースに取り組んでいる食品界の事例として、「ブルボンは2022年4月に他社イベントへの協賛という形でバーチャル『アルフォートミニ』のサンプリングを行い、10月からは自社メタバースを開発して『菓子が持つ楽しさを提供』するコミュニティー空間を展開、23年2月には新潟市が進める古町地区魅力創造支援事業とジョイント展開している」と紹介した。(宇津木宏昌)

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