業界NEWS:食団連が「第1回外食サミット」開催 業界の課題を活発に議論
●現場の声集めて政府へ提言
日本飲食団体連合会(食団連)は5月、衆議院第二議員会館で「第1回外食サミット2023~どうする? 今後の食産業~」を開催した。食団連会員団体、オフィシャルパートナー企業など107人が参加し、各グループごとに分かれてディスカッションを行った。
来賓あいさつでは、多店舗展開飲食店議員連盟の会長を務める元内閣総理大臣、麻生太郎衆議院議員が登壇し、「外食業界はコロナ下で大きな苦境に立たされた。議員連盟で陳情を出す動きになり、飲食店で働く490万人がまとまった。490万という数がまとまる意味は大きい。われわれも無視できない。今後もどのような問題が起きるかわからない中で、素早く対応できる状態を普段からつくっておく必要がある。定期的な会議などを通じて引き続き、業界内で関係をつないでいくことを期待する」と述べ、飲食業界の中で連携する重要性を説いた。
ディスカッションは「(1)コスト高・人手不足への対策」「(2)コロナ禍を経た外食マーケットの変化」という2つのテーマが提示され、冒頭でファシリテーターの農林水産省大臣官房外食・食文化課長の須永新平氏が、各テーマに沿った実情と課題を解説。外食の消費動向について、須永氏は「食の外部化、簡略化の潮流」「飲酒消費は渋い」「市場全体は景気やインバウンドにも左右」「業態のポートフォリオは模索が続く」とし、コスト全般については「原油、エネルギー、原材料は高止まり」「消費者価格への反映は難しい」「来春には物流費が上がる可能性」「飲食業内の賃金・待遇の向上は必須」という見方を示した。
その後のディスカッションは、参加者がグループに分かれて実際に議論を交わし、それぞれの結論を発表するスタイルで実施。各グループからは、飲食店の現場ならではの意見や今後に向けた提案が活発に飛び交った。
食団連ではこうした会合を今後も継続して開催し、議論から上がってくる政府への提言が必要な事項については、要望書の提出を積極的に検討していく。