業務用・外食/機械資材素材/地域貢献3賞表彰式 開発力・技術力を評価 業界発展の原動力に
日本食糧新聞社は14日、東京・新橋の第一ホテル東京で「第27回業務用加工食品ヒット賞/外食産業貢献賞」(農林水産省後援)ならびに、「第26回日食優秀食品機械・資材・素材賞」「第11回地域食品産業貢献賞」の表彰式を行った。「業務用加工食品ヒット賞/外食産業貢献賞」は14社(製品・ブランド)、「機械・資材・素材賞」は3部門8製品、「地域食品産業貢献賞」は7社に授与された。受賞した企業の商品や取組みはいずれも食品業界の発展に大きく貢献するもので、その開発力や技術力などが高く評価された。(涌井実)
表彰式では主催者を代表して今野正義日本食糧新聞社会長CEOがあいさつ。市場開拓・業界の発展に向けた受賞企業の努力や挑戦をたたえた。続いて各賞の選考委員長から選考経過が報告され、受賞企業の代表者に表彰状が授与された。また、来賓を代表して農林水産省大臣官房総括審議官の宮浦浩司氏が祝辞を述べ、祝賀・交流パーティーでは消費者庁の新井ゆたか長官が乾杯の発声を行った。各賞を受賞した製品および企業は次の通り。
○「第27回業務用加工食品ヒット賞/外食産業貢献賞」
◆業務用加工食品ヒット賞
〈ヒット大賞〉▽キユーピー「サラダドレッシング」シリーズ
〈ヒット賞(社名五十音順)〉▽エスビー食品「セレクトスパイス マルチユースシーズニング(トリプルガーリックシーズニング、トリプルペッパーグリルシーズニング)」▽キッコーマン食品「キッコーマン ステーキしょうゆ 贅沢香る 焦がしガーリック」▽キユーピー「キユーピー 具沢山フィリング アボカド(ワカモレ)」▽ケンコーマヨネーズ「薫るトリュフ」シリーズ▽シマダヤ「『真打』つけ汁専用武蔵野うどん〈ミニダブル〉」▽創味食品「創味 ボロネーゼ」「創味 海老トマトクリームソース」▽堂本食品「思いやり堂本便 ソフトな噛みごこち」シリーズ▽ニチレイフーズ「究極の唐揚げ(あごだし醤油、にんにく醤油)」▽富士食品工業「鉄人黒 中華そば〈チャーシュー増し〉〈メンマ増し〉」▽フルッタフルッタ「楊枝甘露(ヨンジーガムロ)」▽平和食品工業「大地の塩ラーメンスープ」▽理研ビタミン「野菜いっぱい インドカレー屋さんの謎ドレッシング」
◆外食産業貢献賞
〈サービス・システム部門〉▽アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc.「アメリカン・エキスプレスの企業間決済サービス」
〈機器・資材部門〉▽旭化成ホームプロダクツ「クックパーWS」
○「第26回日食優秀食品機械・資材・素材賞」
〈機械部門〉▽カラメルコーティングマシンKRS+CC/カジワラ▽包装フィルム用UVレーザプリンタFP-1000シリーズ/キーエンス▽HACCP対応 温度監視システム「ACALA」/タイムマシーン▽凍眠ミニ/テクニカン▽ポーションカッター/ワタナベフーマック
〈資材部門〉▽「青の洞窟Piccolino」シリーズの製品資材/日清製粉ウェルナ・大日本印刷
〈素材部門〉▽キッコーマン 極うまとろみ丸大豆しょうゆ/キッコーマン食品▽高食物繊維小麦粉「アミュリア」/日清製粉
○「第11回地域食品産業貢献賞」
▽和弘食品(北海道小樽市)▽千田グループ(神奈川県横浜市)▽オリエンタル(愛知県稲沢市)▽松浦商店(愛知県名古屋市)▽井辻ホールディングス(広島県広島市)▽三和酒類(大分県宇佐市)▽ちゅらゆーな(沖縄県那覇市)
◆来賓祝辞
農林水産省 大臣官房総括審議官 宮浦浩司氏 世界に誇る高い価値
各賞を受賞された皆さま、誠におめでとうございます。それぞれの企業の取組みは、世界に誇れる高い価値を有するものであり、今後のわが国の食品関連産業の持続的な発展にとって、大変意義のあるものであります。また、長年にわたり地域に根付き、食品分野で地域経済社会の活性化に貢献されてこられた皆さまにも感謝を申し上げます。
新型コロナウイルス感染症の影響を受けた3年の間、人々の消費行動は大きく変わりました。ファストフードやテークアウト・デリバリーなどの需要が高まり、家庭内調理や惣菜、特に冷凍食材・食品に対する支出も増えました。そして、世界的にコロナ禍から抜け出し、行動制限の緩和やインバウンドの増加に伴い、人々が外食へ戻ってきています。
食品産業においては海外市場への進出、地球環境の持続性確保への配慮、原材料の安定調達、人材不足など、さまざまな変化に対応した取組みが求められてきました。
こうした中、本日の受賞商品は社会のニーズに対応し、新たな価値を付したメニューが簡便に提供できるよう創意工夫されており、外食産業に大きく貢献するものです。現在エネルギーや食品原材料の価格が高騰し、経営環境は厳しい状況が続いていますが、農林水産省としても皆さまとの連携を強化し、皆さまの活動を支えてまいります。
◆祝賀会乾杯あいさつ
消費者庁長官 新井ゆたか氏
食の“楽しさ”を創っているのは皆さまのたゆまぬ努力とイノベーションです。いち消費者として、ぜひこのイノベーションを継続していただきたいと思います。人間の体はすべて食品からできています。これからも消費者に寄り添った商品開発を続けてください。
また、昨今は原材料価格や光熱費が高騰していますが、しっかりと価格転嫁をすることで、持続的な経営を心掛けてください。この秋からは食品表示制度の全面的な見直しが始まります。すぐに表示制度が変わるということではありませんが、しっかりと継続的に議論していきたいと思います。
◆ごあいさつ
日本食糧新聞社 会長CEO 今野正義
受賞企業の皆さまにあらためてお祝いを申し上げます。「業務用加工食品ヒット賞/外食産業貢献賞」は、両賞合わせて14社が受賞の栄誉に輝きました。今回、日本食糧新聞創刊80周年を記念した「大賞」は、キユーピーさまに贈呈することとなりました。外食産業の復活を踏まえ、商材開発にエネルギーを注ぎ、環境変化を克服された皆さまの努力に心からの拍手をお送りします。
また、「日食優秀食品機械・資材・素材賞」は機械部門5社、資材部門1社、素材部門2社への贈呈となります。この時節にふさわしく、食品産業に新たな価値を提供する製品が選出されました。
11回目を迎えた「地域食品産業貢献賞」は、7社に贈呈いたします。いずれの企業さまもそれぞれの地域でリーダーシップを発揮され、食品開発はもちろん地域活性化や社会貢献といった役割を継続的に果たされてまいりました。
今回受賞した企業の皆さまは、コロナ禍のさまざまな厳しい環境を乗り越え、勇気や冒険心あふれる開拓者精神で挑戦を続けてこられたことと存じます。今後も“創造力の翼”を大きく広げ、食品産業の一層の発展・繁栄の力強い起爆剤、原動力になっていただきますよう心から祈念申し上げます。