アポなし!新業態チェック(195)「ペッパーランチPLUS」三鷹駅南口店

2023.11.06 537号 11面

 ●「ペッパーランチ」派生ブランド登場 関東、関西に7店舗を連続出店「ペッパーライス」主力に転換

 ホットパレットが展開する「ペッパーランチ」から、その派生ブランドとなる「ペッパーランチPLUS」が誕生した。新ブランドは、東京・三鷹の路面店と大阪「イオンモール茨木」が同時オープン。その後、東京・新小岩の路面店、埼玉「イトーヨーカドー大宮宮原」と「アリオ鷲宮」、東京「イトーヨーカドー曳舟」、大阪「アリオ鳳」と続く7店舗が出店する。

 「ペッパーランチPLUS」の特徴はそのメニューにある。既存の「ペッパーランチ」で看板メニューとなっている、鉄板の上にライスも一緒にのせた「ペッパーライス」のバリエーションを増やし、ステーキ類よりもメインに据える構成だ。またメニュー全体の価格帯を引き下げることで、フードコートなどでも気軽に注文できるファストフード風の業態となった。

 「ペッパーライス」は、従来からある「ビーフペッパーライス」が550円となり、「ポークペッパーライス」(480円)や「麻辣担々ペッパーライス」(680円)、「ガパオ風ペッパーライス」「さばペッパーライス」(各780円)といった新しいアイテムが増えて全6種類のラインアップが揃う。ステーキやハンバーグはライス別となり、「ザク切りキャベツのポーク生姜焼き」(680円)といった“おかず”メニューも加わった。ドリンクやサイドメニューとのセットも充実している。

 同社では、9月後半から従来の「ペッパーランチ」各店でもメニュー改定を行い、メニュー価格の変更や新メニューの追加などを実施している。(価格は税込み)

 ★けんじの評価:既存店も前後してメニュー改定へ

 「ペッパーランチ」はもともと、現在「いきなり!ステーキ」を展開しているペッパーフードサービスが立ち上げたブランドだ。しかし、セカンドブランドである「いきなり!ステーキ」が急拡大の後に失速したため、2020年に「ペッパーランチ」事業を会社分割などの手法により投資ファンドに売却。その調達資金で「いきなり!ステーキ」の立て直しを図るという計画だったが、業績の低迷は脱し切れず、2022年には創業者の一瀬邦夫氏が責任を取り辞任している。

 投資ファンド傘下で、「ペッパーランチ」はホットパレットという社名の法人に移管された。「いきなり!ステーキ」が全盛期から大幅に店舗数を減らしたのに比べて、「ペッパーランチ」は海外の店舗も加えると500店舗ほどを出店している。だが、国内に限っていえば「ペッパーランチ」も決して盤石ではないのかもしれない。

 今回、新ブランド出店という位置付けの「ペッパーランチPLUS」だが、7店舗はいずれも既存の「ペッパーランチ」店からの切り替えである。店頭のサイン類も、色違いのシートに張り替えるなど大きな変更はない。いろいろな意味で、かなり慌ただしい転換であったらしく、ブランドの公式サイトに記載されているメニューもオープン後に修正が加わっている。新ブランドの方向性自体は正しいものだと思うのだが、派生ブランドとはいえ、複数の新ブランド店の立ち上げと前後して既存店のメニュー改定を行うというのは、やや性急すぎるのではないかと感じた。

 ◆外食ジャーナリスト・鷲見けんじ=外食チェーン黎明期から、FFやFRなどの動向を消費者の目線で見続けてきたアンチグルメな庶民派ジャーナリスト。顧客の気持ちを外食企業に伝えるべく、甘口辛口を取り混ぜた乱筆乱文でチェーンの新業態をチェック。朝  マックとロイヤルホストのカレーフェアをこよなく愛する外食ウオッチャー。

 ●店舗情報

 「ペッパーランチPLUS」三鷹駅南口店

 開業=2023年8月22日

 所在地=東京都三鷹市下連雀3-34-5 第2にのたかビル1階

 ●編集協力:株式会社イートワークス

 http://www.eatworks.com/

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら