メニュートレンド:アップグレード鮭フライ! センスあふれる趣向で一新
定食屋で人気トップには君臨できずとも、根強いファンが多く安定感のあるメニューといえるのが「鮭フライ」だ。この鮭フライを「サーモンカツ」にアップグレードし、新感覚の丼に進化させたのが「Seafood bar ermitage代々木」の「とろサーモンレアカツ丼」。2000円超という鮭フライとしては高値設定でありながら、その完成度の高さからSNSでも話題を呼んでいる。
同店の「とろサーモンレアカツ丼」は、厚みのあるサーモンの切り身約120gを半生に揚げ、丼に仕立てている。鮭ステーキを揚げたかのような、従来の鮭フライとは別次元の「レアカツ」だ。「サーモンの塊をレア状に揚げるのは家庭では難しい。店でしか食べられない料理ということでメニュー化した」と、伊藤滉真マネージャーは話す。
鮭フライをレアカツに進化させた発想だけでなく、随所に加えられた趣向にもセンスが感じられる。“丼”と銘打っているが盛り付ける器は洋風のグリル鍋で、ビジュアルのオシャレ度が高い。ご飯の上には大根、ニンジンのツマと刻み海苔、紫キャベツ、アボカドを敷いて彩りとフレッシュ感をプラスした。洋風のメニューに刻み海苔とツマを添えるのは少し珍しいが、「和の要素を入れ、どのカテゴリーにも当てはまらない雰囲気を出したかった」と、伊藤マネージャーは言う。
トレーに数々のアイテムが並ぶ様子もにぎやかで気分がアガる。「お盆に小鉢などを並べる定食セットのイメージ。メイン料理だけでなくいっぱい並んでいた方が楽しい」(伊藤マネージャー)と、イクラとトビコ、和風ダレ、タルタルソースを別添えにして並べている。明るい彩りのイクラ、トビコをサーモンカツの上に散らすと見た目がいっそう映え、それぞれ異なる食感がおいしさをアップさせている。タルタルソースは完成前の「みじん切り玉ネギ」「マヨネーズ」「ゆで卵」を器に盛って提供し、お客自らスプーンでゆで卵をつぶしながら混ぜ合わせて作る趣向だ。
鮭フライ定食というおなじみのメニューも新しい感覚によるアレンジを施すことで、SNSでも注目を集める高価格帯の名物メニューが完成するというわけだ。
●店舗情報
「Seafood bar ermitage(エルミタージュ)代々木」
所在地=東京都渋谷区代々木1-45-4 代々木山陽ビル1階/開業=2023年3月/席数=56席/営業時間=11時30分~23時。年末年始休/平均客単価=2800円
●愛用食材・資材
「こいくちしょうゆ」 ヒゲタ醤油(東京都中央区)
バランスよい王道の味
伝統的な製法で造られ、そば屋などでも広く愛用されている濃口醤油。同店では和風ダレなどに使用。「風味がよく、味のバランスが取れていて使いやすい製品。使っていて不足はまったく感じない。王道の醤油と言っていい」と、伊藤マネージャーは評する。
規格=1.8L