最適なFSMS構築へ 目指す方向性を明確化

総合 ニュース 2024.01.15 12702号 04面
岡信一氏 NSSスマートコンサルティングISOプロ事業責任者

岡信一氏 NSSスマートコンサルティングISOプロ事業責任者

FSSC22000、JFS規格などの食品安全マネジメントシステム(FSMS)認証を取得する際に頼りになるのがコンサルタント。その一人であるNSSスマートコンサルティングISOプロ事業責任者の岡信一氏は、コンサルティングの初めに必ず「なぜ認証取得をしたいのか?」と問い掛けるという。この問い掛けをきっかけにして組織が目指す方向性が明確になれば、その組織に最適なFSMSを構築できる。さらに認証取得組織と言語を共通化することで、組織間での意思疎通がスムーズにもなる。(木下猛統)

問い掛けに対する答えの8割近くを「最終的に自組織のプラスになるから」が占めている。これを受けて、岡氏は「FSMS構築の際には、自社の現状を整理した上で要求事項に対し不足している部分を補い、最低限の要求を満たした構築で認証取得をすること、その後、運用していく中で出てくる自社が取り組むべきこと、取り組みたいこと、取引先からの要望を無理の少ない方法でひもづけしていくことをお勧めしている」と解説する。これは認証を継続する上でも重要。この初期対応によってスムーズにPDCAサイクルが回せるFSMSが構築できる。

岡氏に関して注目したいのが「既認証取得組織で要求事項が重くなっている場合には、FSMSのスリム化を提案する」という点。さらに「組織の対応を精査し、場合によってはFSMS認証返上を勧めることもある」という。

認証取得審査の際には、可能な限り受審組織の事務局の一員として審査に加わるようにしているという。岡氏はその理由を「FSMS構築が主眼ではなく、構築によって組織を活性化することが重要。そのために何をすべきか組織として考え、その考え方を審査員とも共有する」と説明する。これも、あくまでも顧客の立場に立つという姿勢の表れだ。

〈事業概要〉

2007年設立のNSSホールディングスが傘下に持つ複数の事業会社の一社が15年設立のNSSスマートコンサルティング。さらに同年、岡信一氏が同社内でISOプロ事業を立ち上げた。コンサルティング実績は、FSSC22000が約20件、ISO22000、JFS-B規格が25件、HACCPが約200件。

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