白鶴酒造、幻の酒米で醸造の純米吟醸「山田穂」5000本限定販売

酒類 1996.11.20 8128号 3面

【大阪】白鶴酒造(株)(神戸市東灘区、078・822・8903)は、昨年に引き続き、六十余年ぶりによみがえった幻のコメ「山田穂」で醸した純米大吟醸酒を限定発売した。

清酒醸造に適したコメは、酒造好適米(酒米)と呼ばれ、通常の食用米とは成分・性質が大きく異なる。品質的に最も優れた酒造好適米は、清酒の主産地・灘をかかえる兵庫県産の「山田錦」とされている。一般の食用米に比べ、大粒でコメの中心部に心白と呼ばれる白く濁った部分がある。

幻の酒米、山田穂は山田錦の母親に当たる品種で、昭和初期まで兵庫県の奨励品種として広く栽培されてきた酒米で、明治23年には全国勧業博覧会で日本一の折り紙が付いたとも伝えられ、山田錦はこの山田穂の優れた性質を引き継いだといわれている。山田穂は背丈が高く栽培が難しいことから、その王座を山田錦に譲ってきた。

白鶴酒造は、山田穂を再評価するため、兵庫県立中央農業技術センターや山田錦の生産地にある農家の協力を得て、およそ六十余年ぶりに幻のコメをよみがえらせた。復活した山田穂は、山田錦に比べるとやや小粒だが、成分の面ではタンパク質や脂肪分が少なく、酒米として最高のレベルにあることが再確認できた。平成7年秋に収穫した幻の酒米、山田穂を用いて、今年3月初めに仕込み、香りの高い純米大吟醸酒を醸した。六ヵ月の熟成を経て、一段と香味に磨きがかかった純米大吟醸酒「山田穂」を、11月8日から五〇〇〇本限定(七二〇ミリリットル詰、希望小売価格三五〇〇円)で発売した。

「山田穂」に関する詳細な情報はインターネットを通じて白鶴ホームページ(http://w.w.w.hakutsuru co,jp/)で紹介している。

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