気になる話題:伊藤園「新俳句大賞」

1996.07.10 10号 17面

「春あけぼの三千グラムの大(おお)欠伸(あくび)‐‐7日に発表された「第七回伊藤園お~いお茶新俳句大賞」文部大臣賞受賞句である。

缶パッケージに俳句が載っている「お~いお茶」は老若男女を問わずお馴染みの人気商品だ。ここに載る俳句は伊藤園が一般から募集した作品ばかり。今回の応募総数は何と四八万九四〇七句! この数字は公募作品コンテストではダントツの一位を記録する。

新俳句とは季語や定型にこだわらず自由な発想を大切に、思ったまま、感じたままを五・七・五のリズムで一句にまとめる。堅苦しくなく誰でも参加できることが人気の理由だろう。この超激戦の審査をくぐり抜けてきた二六二句が、全国に年間約四億本も流通する「お~いお茶」の商品パッケージに印刷される。珍しがり屋の女子中高生の間では一日に三度同じ俳句の缶を見つけるとその日はラッキーなんて噂もあるとか。

さて前出の文部大臣賞受賞句の作者は香川県の石川和志さん。「三千グラムというのは生まれたばかりの赤ちゃんの体重です。四〇年前、生後一ヵ月でこの世を去ったわが子への想いを詠みました。初めてわが子を抱いた時の平和な温もりと、生きる意思を表明するような元気一杯の大欠伸。いまでも脳裏に鮮明にやきついています」と句作の意図を語る。

次回応募するアナタのために入賞の秘訣を聞いてみた。

募集時期が秋から冬のため夏の季節を詠った作品が少ないという。この辺が狙い目かも。この夏、句作とシャレてみるのはいかがか。

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