冷房病 冷え性には「辛い」が効く 自然の風の中で食べるのが一番

1996.08.10 11号 3面

暑さ、寒さが厳しい季節、なぜか刺激的な辛い料理が食べたくなる。こんな経験はどなたもおありだろう。これは暑い時なら汗をたくさんかくことで体内の熱が発散され逆に清涼感を味わうことができるため。そして寒い時には辛い刺激物が身体を暖めてくれるためである。まさに「冷え状態」には「辛い」が強力な味方といえる。

しかしここで注意が一点。汗をかいた身体にクーラーの冷気が当たると身体はさらに冷えきってしまう。これではせっかく身体を温める食べ物を食べても逆効果にもなりかねない。自然の風が当たるくらいの場所で「暑い、辛い、暑い、うまい」と食べるのが冷えには効きそうだ。

「辛い」素材にはいろいろな種類がある。とうがらし、ショウガ、わさび、そして各種スパイスなど。これらは汗を出す効果があるだけでなく、整腸効果も促し食欲増進にもつながる。食中毒が大問題になっているさなか保存性や殺菌作用も合わせ持つ強者なのだ。

人気メニューのカレー、若者の間で根強い台湾料理、とうがらしで漬け込んだ辛子明太子など日本人の食生活にもかなり馴染んでいるといえるだろう。

この刺激があれば食欲がないと思っていたアナタもついつい食べ過ぎてしまうかも。

「ケーキが大好きで何よりも一番先に食べてしまう」や、「絶えず間食に甘いものを食べてしまう」という食べ方も冷えには要注意だ。このような食生活は血糖値を不安定な状態にしてしまう。甘いものを食べた後は血液中のブドウ糖の量が増え、一挙に血糖値が上がり、一時間くらいするとまた極端に下がってしまう。血糖値が下がると血液中のブドウ糖も減ってしまい貧血状態になり、冷や汗が出て寒気がしたりする症状が出てしまうことになる。ケーキや甘いものはなるべく食事の後に食べ、身体にかかる負担を減らすよう心がけたい。お腹がいっぱいの状態で食べれば少量で済み、一石二鳥だ。

近頃健康に良いと話題のゴマやクルミ、松の実などを好んで食べているという人も少なくない。ナッツ類は身体を温める作用のある食べ物だ。さらに不飽和脂肪酸とビタミンEを含む良質の食品といえる。

しかしここでアドバイス。最近ではせっかくの抗酸化食にも関わらず粉末で販売している商品もある。粉末にすると抗酸化作用もなくなってしまい酸化してしまう場合も多い。

ナッツ類はすりつぶさず、粒のままで食べる方が身体を温める作用があるようだ。

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