味なCMおっかけ話 モテてます!セクシーガイコツ 全国牛乳普及協会
この夏のヒロインと言えば、アナタは誰を思い出しますか? 「アン、噛んじゃダメェ」。オリンピック中継の合間に現れ、思わずフッと私たちの頬をゆるめさせたナゾの女性がいた。話題のセクシーガイコツが出演している全国牛乳普及協会のCMの魅力に迫った。
湯上がりに窓辺で涼む女あり。一人きりの開放感を楽しむかのようにバスタオル一枚きりの無防備な姿で(ガイコツのクセにとってもグラマー)、腰に手を当てグビグビッと牛乳を一気にあおる。とその時、バスタオルがはらり。イヤーンとばかり恥じらう姿がミョーに色っぽい。そこにピンポーン、来客の様子。「ハーイ、ちょっと待ってー」。顔に似合わぬ(?)低音なセクシーボイスで返事をし、まるで誰が来るかを知っているかのようにタオル一枚の姿のまま玄関へ向かう彼女。と、そこに立っていたものは……。
このCMは、全国牛乳普及協会の「骨と言えばミルク」シリーズの第二作目。健康的な牛乳をガイコツに飲ませるという意外性がウケ、昨年秋に放映された第一弾“銭湯編”は、好感度CMにもランキングされるほどの大反響を呼んだ。
前作に比べ今回は若い女性であるガイコツのキャラクターをよりユーモラスに強調している。あのガイコツは二七歳・OL・独身・一人暮らし・彼氏アリ。何とアパートの間取りまで決まっているという凝りようだ。
また注目すべきは、ガイコツのリアルさ。それもそのはず、このガイコツは日本でも指折りのCG(コンピューターグラフィックス)制作チームが約四ヵ月かけて作ったもの。まず本物の人間で実写をし、その動きをもとに作られている。心くすぐるあの声の主は、オーディションの末選ばれた素人の女性。とぼけた温かみのあるフツーの女性の声がグッとくる。本人の名前をとってあのガイコツは“ミチコちゃん”と呼ばれているそうだ。
そして忘れちゃいけないのが、犬の存在。いつも彼女の足もとにジャレついて「アン、噛んじゃダメェ」の名ゼリフを言わせる彼女の愛犬だ。これを制作した博報堂第一制作局・松井美樹氏は「犬は骨をしゃぶるでしょ? あのガイコツは、犬もしゃぶりつきたくなるほど立派な骨の持ち主、という意味をこめて登場させています」という。