メタボリックシンドロームにご用心 そのおなか、かなりキケン

2005.08.10 121号 2面

年経るごとに、おなか周りが大きくなるのは自然の摂理…なんてあきらめていませんか? おなかの脂肪は、スタイルに影響するだけではない。高血圧・高血糖・高脂血症を引き起こす「メタボリックシンドローム」がいま問題視されている。

7月20日に開催された「カリフォルニアくるみコンベンション 健康フォーラム」で講演した板倉弘重・茨城キリスト教大学教授は「おなかの脂肪でも特に問題となるのが内臓脂肪。なかでもウエストの周囲径が男性で85センチ以上、女性で90センチ以上の人は要注意。脂質代謝異常(中性脂肪やコレステロール値)や高血圧・高血糖となり複数の生活習慣病を合併しやすい。その状態をメタボリックシンドロームといいます(表1)。健康診断では正常値よりちょっと高めとされるだけで、病気と診断されないとしても、心筋梗塞や脳梗塞の危険度が高いのです」。

思い当たる人は即、内臓脂肪への対策を。基本となるのが食事と運動だ。「肥満の原因は脂肪のとり過ぎと、やみくもに低脂肪食にする人がいるが、不足感から身体が蓄えに回りかえって肥満を増長させることも。脂肪は上手にとった方が太らないのです」。肝心なのはバランスだという。

「脂肪には飽和・不飽和など、多種類の脂肪酸があります。それぞれ生理機能に違いがあるので適切な種類の脂肪酸をバランスよく摂取することが大切です」。なかでも多価不飽和脂肪酸のn‐3系脂肪酸は、体内で分解されて、EPAやDHAという物質に変わる。血中中性脂肪値の低下、不整脈の発生予防、血管内皮細胞の機能改善、血栓生成防止作用などが認められている。

このn‐3系脂肪酸をバランスよく含むのが、くるみ(グラフ)。くるみの健康効果について米国では、ひとつかみ(42グラム)のくるみを毎日摂取するとコレステロールが低下し、心疾患リスクも抑制されることが判明。ほかにも多くの臨床データで有意性が示されている(表2)。「くるみを適量食べるなど、毎日バランスよい脂質摂取を心掛けることが生活習慣病予防につながる」という。

◆表1 メタボリックシンドローム診断基準(日本内科学会2005)

1.内臓脂肪蓄積 ウエスト周囲径:男≧85センチ、女≧90センチ

2.1に加え、以下2項目以上のリスク

(1)脂質代謝異常:高TG血症(150mg/dL以上)低HDL-C血症(40mg/dL未満)のいずれか、または両方

(2)高血圧:収縮期血圧130mmHg以上 拡張期血圧85mmHg以上のいずれか、または両方(3)高血糖:空腹時血糖110mg/dL以上

◆表2 臨床試験で明らかになった、くるみの健康効果

(1)コレステロール値を望ましい状態に(米国・ローマリンダ大学 ホアン・サバテ博士)

(2)日本人を対象にした血清脂質改善への有用性(日本・九州大学 岩本○○博士)

(3)高コレステロール血症者の血管内皮機能改善(スペイン・バルセロナ大学 エミリオ・ロス博士)

(4)2型糖尿病患者の食事への有用性(オーストラリア・ウーロンゴン大学 リンダ・タプセル教授)

◆「毎日を美味しくカリフォルニアくるみレシピコンテスト」

カリフォルニアくるみ協会は、消費者対象のくるみレシピコンテストを開催。地域名産・愛情料理・フリースタイルの3部門で応募総数806点中、みごとグランプリに輝いたは白潟泰穂さん(北海道・34歳主婦)。白潟さんには、サンフランシスコ旅行とカリフォルニアくるみギフトパック(計35万円相当)が授与された。

●グランプリ(地域名産部門優勝) 白潟泰穂さんのレシピ「イカのクルミゴロソース炒め」

北海道名産の函館産スルメイカ・ニセコ町産アスパラを使いました。新鮮なイカのゴロ(ワタ)とすったくるみは、味も食感もベストマッチ。アウトドア料理にもおすすめです。

〈材料・4人分〉

・くるみ……………80グラム

・スルメイカ…………2杯

・アスパラガス………4本

・プチトマト…………6個

・シメジ……………50グラム

・小ネギ………………2本

A(・味噌…25グラム・バター…10グラム・砂糖…12グラム・酒…大さじ1・豆板醤…少々)

・塩・こしょう・油…適量

〈作り方〉

(1)くるみは160度のオーブンで10分ローストし、4分の1量は粗くきざみ、残りはペースト状になるまでよくすり混ぜる。

(2)イカは下処理し、胴はリングに、ゲソは食べやすく切り、ゴロは出して、(1)・Aをあわせる。

(3)アスパラは、4~5センチに切り固めにゆでる。シメジは小房に分ける。

(4)油を熱したフライパンにイカ・(3)・トマトを入れて炒め、(2)のゴロソースを加えて炒め、塩・こしょうで味を調え、火を止める。

(5)器に盛り、細かく切った小ネギを散らす。

●コンテスト特別審査員・長谷川理恵さん(モデル・タレント・マラソンランナー)のレシピ「トマトとくるみのサラダ ハニーマスタードドレッシング」

くるみは大好きでよく食べます。身体に良い不飽和脂肪酸がバランスよく含まれていて、ビタミンやミネラルも豊富なのでお肌にもいいですよね。少しローストすると香ばしくてよりおいしいです。

〈材料・1人分〉

・トマト(中)……1個

・塩・こしょう……少々

・カッテージチーズ……40グラム

・くるみ……………20グラム

・イタリアンパセリ………少々(あらみじん)

☆ハニーマスタードドレッシング〈4人分〉

・はちみつ……大さじ1

・フレンチマスタード……………大さじ1

・レモン汁……大さじ1

・塩………小さじ1/2

・こしょう…………少々

・オリーブ油…大さじ2

〈作り方〉

(1)トマトは1センチの輪切りにして、塩とこしょうを軽くふる。

(2)その上にカッテージチーズを盛る。

(3)くるみは粗く刻み、フライパンで香りが立つまでから炒りする。

(4)ドレッシングの材料をよく混ぜる。

(5)カッテージチーズの上にくるみを散らしドレッシングをかけイタリアンパセリを散らす。

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