だから素敵! あの人のヘルシートーク:風土&フードディレクター・バーバラ寺岡さん
黒々としたツヤのある髪。うるおいとハリのある肌。ビシッとしまったウエスト。多くの女性が望むものを手に入れているバーバラ寺岡さん。しかし一〇代、二〇代は肥満と戦い、しかも病気という病気に付き合わされた体験を持つという。「エステはもちろん、やせるということは何でもやった。でもその結果が拒食症に過食症、十二指腸潰瘍と胃潰瘍、それに命まで落としかねない膠原病にもなったの。健康を取り戻すために本当にいろんな方法を試した。でも治らなかった。それで自分でオリジナルの食事法を考えて健康を取り戻し、美しさも手に入れたの」。今回は51歳のいまなお変わらぬ美しさと健康を保持しているバーバラ寺岡さんの「ヘルシートーク」。
間違ったダイエットを信じてやっても残念ながら効果は望めないですよ。やせるために一生懸命水泳をやってもダメ。だってウエストのくびれた魚なんて見たことないでしょ。トド、ラッコ、カバ、マグロ、みんなお腹に脂がついているじゃない。冷たい水の中で泳ぐと内臓が冷えないように身体が自然と脂をつけてお腹を守ろうとするの。人も同じなの。お腹は冷やしてはいけない。とくに女の人はお腹や腎臓が冷えるとむくんでしまってもっと水はけが悪くなるの。
もう一つ、サラダダイエットでやせるっていうものウソ。草しか食べない牛や象やサイだってやせていないでしょ。それに同じように生野菜しか食べない動物のウサギ、ヤギ、羊のうんちはコロコロしているでしょ。これを見たら人間だって生野菜で便秘が解消するとは考えられない。やせるために一生懸命泳いだり、生野菜サラダをせっせと食べても身体を冷やして逆効果になりかねないんです。経験者だからこそわかるのよ。
一時期は六七キログラムの肥満体になってしまったの。痩せる!! 美しくなる!! 便秘や貧血が治るなど、はやりのエステにダイエット、水泳、エアロビクスなど数え切れないほどの美容法を試したけれど、やせるどころか便秘、貧血、冷え性の悪化、過食症に拒食症、そして十二指腸潰瘍に胃潰瘍。七年前には膠原病にもなってね。病気には本当に悩まされた。お医者様が治らないというから中国に行って漢方、針、お灸、気功、それぞれ大家の先生にも会いました。それでも治らない。これではいけないと試行錯誤の揚げ句オリジナルの健康法を生み出したの。
美しく健康でいたいと思うなら一番気をつけなければいけないのが「冷え、貧血、便秘」を治すこと。いくら身体の外側を磨いても、内臓が元気でないとダメ。とくに肝臓と腎臓を強くして代謝をよくすることが大切。いくら化粧が上手にできても肌がボロボロでは美しくないでしょ。間違ったダイエットや健康法、美容法のせいで美しさや若さだけでなく命まで落としている人が世界中であとをたたないのが現状です。そこで考えたのが「食生活」の見直し。そして「バーバラ特効超美容健康レシピ」です。
肥満から膠原病まで治した私のメニューは毎日欠かさず、肝臓の特効薬のタイソウ(赤なつめ)を煮つめたものとリンゴ入り梅肉エキス。いまは「大層梅肉プラス」(写真)を食べているけれど、最初は全部自分で作っていたのよ。
それからコラーゲンが豊富な手羽先で取ったスープに昆布茶や麦みそで味を整えたものをどんぶり一杯。骨粗しょう症が騒がれているけれどカルシウムだけを取っていてもダメ。骨に必要なのはコラーゲンなの。骨にしろ、皮膚にしろ、約八〇%はコラーゲンなんです。コラーゲンが肌や髪の潤いの素を出し、骨粗しょう症の予防にもなる。関節が痛いのも、肌、髪のトラブルなどもコラーゲン不足ね。
食事と一緒に飲むのは熱いよもぎ茶。このお茶のおかげで三二〇あったコレステロールが一カ月半で一八〇に下がったの。それだけではなくて冷えを治してウエストも細くなった。髪の毛もしょぼしょぼして少なくなっていたのだけれどいまはボリュームあるでしょう。四〇歳すぎてから生えてきたのよ。髪の毛は血の余りなの。むかしは貧血、肝機能低下で髪の毛が作れなかった。肝機能が回復したのはタイソウ梅肉のおかげね。
もう一つ秘密兵器は毛布なの。とにかく肝臓、腎臓を冷やさないことが重要だからウール一〇〇%の毛布を巻いて寝ているの。これもむくみの解消に効果的なんです。普通の毛布の半分の大きさだから身体にクルクルと巻き付けて夏はこれだけ。足が出ているからウールでも涼しいわよ。
お風呂の効果的な入り方は四〇度くらいのあまり熱くないお湯にちょうど一一分入るの。レトルト食品を想像してください。私の身体の場合は一一分で内臓まで全部ちょうどいい温度に温まる。そうすれば流れが全部正常になるから。熱いお湯だと外側だけ熱くなって中は冷えたままになるでしょ。しんまで温まらないから健康、美容効果がない。それに、やせないしね。
それと女の人はおっぱいを温めるとやせるのよ。乳ガンや子宮ガンになるとたいていおっぱいが冷えている。生理痛の時もおっぱいにホカロンとか温湿布をあてると早く楽になる。そうすることでホルモンのバランスをよくするからね。
肥満もデブもブスもみんな原因は一つ。肝臓、腎臓の機能低下と冷えなの。
これを解消することが健康と美しさの基本ね。
このごろの人は毎日のように髪の毛を洗うでしょう。あれは大切な女性ホルモンをドンドン洗い流してしまっているの。女性ホルモンは水でも流れてしまうのよ。おでこや背中にブツブツできているのもホルモンのバランスがくずれているから。でもブツブツ出てきている時はまだいいのよ。身体に悪いところがあるよって教えてくれているんだから。悪い状態が長く続いたら子宮筋腫や乳ガンにも関係してきてしまう。洗髪は三日に一度で十分。その方が髪にいいの。
シャンプーの害を減らす工夫はね、害の少ない海藻シャンプーを大匙一杯に生卵一個加えかき混ぜる。それに水を加えて乾いた髪になじませていく。それからその液で普通にシャンプーのようにもみ洗いしてぬるま湯ですすぐだけ。だまされたと思って試してみて。髪が見違えるようになるから。髪の毛のプロテインに栄養を与えながら汚れだけをとるのは唯一卵だけ。
私が提案していることはどれもお金が高くかかることではないのよ。高価な化粧品やシャンプーを使って身体を悪くするんじゃ一番もったいないじゃない。
風土&フード・ディレクター。一九四五年3月28日、ハンガリー生まれ。外交官だった父と世界各国を回りさまざまな料理や美容法を経験したことをベースに独自の美容・健康法を考案した。
講習会やテレビで活躍のほか「美容健康爆発クッキング」(清流出版)、「バーバラ寺岡の熱血ダイエット」(小学館)など著者も多い。
コラーゲンたっぷりの「シワ鶏スープ」と「パワー佃煮あえ」が基本のメニュー。作り方は意外に簡単。
「シワ鶏スープ」は鍋に水を入れ酢を垂らし手羽先四~五本を水からゆっくり四〇~五〇分煮る。昆布茶や麦みそで味を整える。ネギ、ワカメ、豆腐を加えてもよい。「パワー佃煮あえ」は黒みつと酢を同量混ぜ合せ、カツオブシ、ゴマ、ちりめんじゃこを一晩つけた「パワー佃煮」に挽き割り納豆を混ぜ、豆腐と和える。
▽大棗梅肉プラスは東洋産業(株)(0559・77・8811)