漢方ダイアリー:寝苦しい夜、良質の睡眠を得るには
◆8月10日(金)
毎日暑くて熟睡できず、もうすでに夏バテ気味。エアコンをつけて寝ると、冷え過ぎるし、のども痛くなるし、環境にも良くないみたいだし…。ぐっすり眠れる方法はないかしら。
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夏もいよいよ本番となり、暑さもピークを迎える頃。庭にうち水をして、夕涼みをしながらスイカなどをほお張るのは、楽しい夏のひとときです。
しかし、暑さのせいで寝苦しく、ぐっすり眠れないのでは、疲れもとれず、夏バテの状態になってしまいます。
暑くて眠れない…。こんな悩みでも、中医学では、まず体質から判断し、対策を考えます。
◆水ポチャタイプ
暑さに影響を受けやすいのは、日頃から胃腸の働きが弱く、胃もたれやゲップ、軟便、下痢などの症状が現れやすい人。このタイプは水分代謝が悪く、身体に湿(余分な水分)が停滞しやすくなります。湿が過剰になると、熱がこもりやすくなるので、その結果、身体がほてり、なかなか寝つけない、眠りが浅くすぐに目が覚める、などを繰り返します。
気をつけたいのは、冷たいものをとり過ぎないことと、肉食中心にしないこと。胃腸に負担をかけないよう食生活から注意してください。
漢方薬では、胃腸を整えながら自律神経を安定させる『温胆湯』がお薦めです。
◆潤い不足タイプ
やせていてあまり体力がない人で、普段のどが渇きやすい、汗かきで疲れやすいなどの症状がある場合、身体の中の必要な水分が不足していること(これを「陰虚」といいます)が考えられます。このほか皮膚の乾燥や、手足のほてり、強い疲労倦怠感があることも。
対策として、津液(身体に必要な水分)を補うよう、トマトや豆腐、キュウリなどの食材を積極的にとりましょう。
睡眠の質を整えるためのお薦めの漢方薬は『酸棗仁湯錠』です。そのほかに、津液を補うものとして『生脈散』や『西洋人参』なども良いでしょう。
●オススメは『星火温胆湯エキス顆粒』、『酸棗仁湯錠』
『星火温胆湯エキス顆粒』 湿を取り除きながら胃腸を整えます。
『酸棗仁湯錠』 自然な睡眠リズムを回復させてくれます。
●東洋エクササイズ 安眠を誘うツボ
睡眠前には、ゆとりをもって過ごし、心を落ち着けるツボをマッサージしましょう。
内関(ないかん)…手首のしわの真ん中から、親指幅2本分の場所。
神門(じんもん)…手首のしわの小指側、手首をそらすとくぼむ部分。