百歳への招待「長寿の源」食材を追う:「寒天」

1997.03.10 18号 14面

日本や中国では、伝統食品の見直し人気が高い。日常の生活にとけ込み食べやすく長寿効果は大である。

(食品評論家 太木 光一)

日本には長寿に向く良い食品が多い。寒天もその一つで、外国にはみられない特産物である。江戸初期から作られていた、代表的な伝統食品とよべよう。

ようかんなどの和菓子の材料に使われているが、最近和菓子が洋菓子の人気を抜いて伸びている。若い女性層にも広がってきた。その理由は、太らないからである。寒天自身もプリン・ゼリーなどのデザート原料として使用され、見直し気運にある。

原料は紅藻植物に属するテングサ類で、日本近海でとれるものは二四種類。テングサ・オニクサ・イギス・オゴノリほか。優良な品質で多産されたが、最近は国産品はごくわずかとなり、主力は韓国・スペイン・ポルトガル・チリなどからの輸入品と変わった。

いろいろの原藻を使用するが、これを草割りとよんで、目的は品質の向上と生産原価を安くするためである。製造工程差によって、角寒天・細寒天・粉寒天となる。

寒天の用途は家庭用と業務用に大別され、業務用は和菓子材料としてようかん・水ようかん・金玉糖・こはく糖などに。洋菓子材料としてゼラチン代用に、ゼリー・ゼリービーンズ・ババロア・プリンなどに。アイスクリームやジャムの凝固剤にも使用。

中華デザートの杏仁豆腐も、牛乳を寒天で固めてアーモンドのフレーバーを加えたもの。中華料理ではツバメの巣の代用に、このほか冷菜にも使われている。日本料理では各種寄せ物・わさびかん・氷そうめん・寒天の酢の物などにされる。

また医薬用として嚥下剤・オブラート・細菌の培養・薬用ゼリーをはじめ、水性塗料用などと用途は広い。

家庭用としては水ようかんやみつ豆などに。みつ豆のうちフルーツみつ豆やあんみつは業務用としてコンスタントな生産量があり、夏場の贈答用にされている。またフルーツみつ豆・あんみつ・クリームみつ豆などは、レストランや喫茶店で若い女性層の人気メニューである。

また甘味離れの中で、トコロテンファンは急増。安さの魅力も加わってスーパーでもカップ入りやパック詰めが売れ筋商品に。酢醤油やからしなどを添えて食べるが、爽やかな酸味で初夏から夏場にかけての人気は高い。

寒天やトコロテンを食べる場合、水を飲んでいるのと同じでカロリーはゼロ、太る心配は全くない。

しかも寒天は、消化酵素や腸内細菌によって消化されず、ほとんど全部排出されるので、便通を整える効果は抜群である。薬などよりはるかに自然的で効果も大きい。しかも食べやすく、他の美容食にみられない特性がある。

インドネシアの婦人などは、定期的に寒天を食べて体調を整えているが副作用はなしである。便秘は美容ばかりでなく、長寿にとっても大敵である。食べやすくおいしいみつ豆やトロコテンを愛用し、長寿に結びつけたいものである。

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