「脂肪率」は「死亡率」 健康体重を維持する日常の心得 危ない関係=女性編
女性の場合は脂肪率が三○%を超えると、肥満の仲間に入る。肥満は悪者には違いないが、逆にこれから子どもを持つであろう若い女性の、無理なダイエットに警鐘を鳴らしたい。若い女性の魅力ともいえる洋ナシ型の下半身脂肪は、妊娠や出産時の重要なエネルギー源となるからである。
男性のリンゴ型肥満が成人病の原因になるのに対し、女性に多い洋ナシ型肥満はあまり健康を害することはない。にもかかわらずこれを何とかしようと、過激なダイエットを試みる女性は多い。
「○○だけを食べる」という方法で急激なダイエットを行うと、身体が食べ物を確保できない飢餓状態だと判断し、いろいろな機能で身体を守ろうとする。その最初の働きが、逆に脂肪のつきやすい身体に変化する。
怖いのは、体重の変動と体脂肪率の変動は同じではないこと。脂肪の減らないダイエットは、脂肪分以外(筋肉)が減るだけで、逆に体脂肪率は増えてしまう。これを「リバウンド現象」という。繰り返すと、ますますやせにくい身体になり、ついにはさまざまな余病を引き起こすことになる。
女性の強さを奪う、過激なダイエット
最近、女性の強さが話題になることが多い。反論もあろうが、これは正解。昔から女性は強いのだ。平均寿命も女性の方が長いし、男性では耐えられない痛さだといわれる出産もこなす。冬山で遭難したって、女性の方が助かるケースが多い。
その強さのもとの一つが「脂肪」の存在。やせた女性が少なからず持つ悩みに低血圧、子宮後屈などがある。さらにこれが原因で立ちくらみ、腰痛、生理痛などの症状も起きやすい。過激な「やせ願望」は、女性が本能的に持つ強さも奪ってしまうようだ。
女性の場合は「肥満と成人病の危い関係」だけでなく「やせ過ぎと病気の危い関係」にも気をつけたい。