世界で一番健康・長寿なメニュー

1998.05.10 32号 20面

地球のあちらこちらには、人間の寿命の常識を超越し長生きしている人々がいる。例えばコーカサス、例えばビルカンバ。しかし厳密にいえばその長寿実績は必ずしも正確なものではないらしい。それらの地域では、百歳を優に超える長寿者の生年の頃、戸籍を設ける習慣はなかった。「ハウ・オールド・アー・ユー?」に対する答えは、本人の記憶による自己申告なのだ。

それでは客観的事実に基づく世界一の長寿民族はというと、これがけっこう日本南端の沖縄の人たちという見解になってくる。この地域からは今世紀はじめ、たくさんの移民が地球各地に向け出発した。南方気質で柔軟性に富む彼らはその後、それぞれの土地で様々なものを吸収し、当初から持っていた伝統の技と合わせて新しい生活スタイルを創り出していった。

中でも特筆すべきは、ハワイ諸島・ハワイ島での展開だ。人間の身体を緩老長寿に導く最も大きな要因はもちろん食生活だが、ハワイ島に移住したその人たちは、日本一ヘルシーな沖縄料理とあふれるほど素材豊富なポリネシアン料理をミックスさせ、全く新らしい食文化を創設した。

その沖縄流ハワイアンメニューを食べて生きてきた日系一世・二世の人たちは、一九八七年から四度にわたるWHO(世界保健機関)の調査で、食生活の欧米化は健康に悪いという常識に反して、肥満・糠尿病・高血圧・高脂血症・脳卒中の既往症率が低い結果となった。沖縄民族の長寿の遺伝子は、新天地ハワイの食の波をかぶりさらにパワーアップしたことになる。

長寿集団、沖縄ハワイアンの人たちの細胞を形作っている彼らの日常食は、“世界で最も健康・長寿なメニュー”のひとついえる。

その特徴は、▽ベースがコンブダシ、豚を頭から尾っぽまで丸ごと使用するなど、沖縄伝統食の流れを組む▽味噌汁や煮しめなど純和食の要素も含む▽ポリネシアの素材、技法を余すところなく使う▽肉食も豊富、ソースも多様など欧米食の側面もある--等が認められているが、食文化分析、食材・調理法探求についてはまだまだ未知の部分がある。

日本食糧新聞社ではそこで今年10月、「世界一健康な食と生活の研究」をテーマに沖縄ハワイアンの日常食体験・研究ツアーを実施することを決定。高齢化社会、二一世紀の日本の食の問題を解決するカギが大いに盛り込まれることとなる。

WHO国際共同研究センター長、京都大学 家森幸男教授も同行し、「食と健康」についての講演を行う。

問い合わせは、日本食糧新聞社国際部電話03・3271・4815

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら