免疫力を高めるヨーグルト、成人病も撃退する

1998.07.10 34号 2面

食料として、薬として、牧畜民族に古くから利用されてきたヨーグルト。古代ギリシャでは化粧品として使われていたという記述もある。ガンを防ぎ、コレステロールを下げ、ストレスにも強くなるというヨーグルトの効率的活用術について、ビフィズス菌研究の第一人者である東京大学・光岡知足名誉教授に聞いた。

善玉菌を増やして、腸内のバランスを安定させる働きのあるヨーグルトは、免疫力を高めるにも有効な食品。

免疫とは、体内に入ってきたウイルスや病原性の細菌などから、私たちの身体を守る働き。ガンなどの成人病の発生を抑えるのも免疫の力だ。

「ヨーグルトの中の乳酸菌は、免疫機能に重要なマクロファージやリンパ球の働きを活発にする。またX線照射によって白血球が減少した人にヨーグルトを食べさせると、白血球が増えたという報告なども、ヨーグルトの免疫力を高める働きを裏付けています」と光岡教授。

免疫力は年齢とともに低下する。とくに高齢者は、肺炎などの日和見感染や食中毒予防にも毎食ヨーグルトを食べる習慣をもつとよい。

●自分のカラダにあったヨーグルト選び

一口にヨーグルトといっても、市販の製品はたいへん多様化しており、栄養成分もそれぞれ。成分表示などを見て、自分の食べる量や食べ方にあった製品を選ぶことが大切だ。

●上手な保存法

ヨーグルトは冷蔵庫で保存していても、少しずつ乳酸発酵が進む。そのため、酸味が増し、牛乳中のタンパク質・カゼインが収縮して、水っぽい乳清(ホエー)が分離してくる。

乳清には水溶性のタンパク質やミネラル、ビタミンの一部が溶け出しているので、捨てずに一緒に食べるようにしよう。

市販のヨーグルトの賞味期限は、摂氏一○度以下で冷蔵して、製造日から約一○~一四日が目安。ヨーグルトは酸性のため、雑菌が繁殖しにくく、牛乳よりも長持ちする。が、清潔には気をつけて。ヨーグルトを取り出すスプーンは熱湯消毒したものを使うようにすると安心だ。

開封後のヨーグルトは、ネギなどの嫌なにおいを吸収しやすいので、きちんとフタを閉め、なるべく二日くらいで食べきろう。

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