おはしで防ぐ現代病 「過敏性腸症候群」健生会クリニック・河野先生に聞く

1998.07.10 34号 18面

「私はビョーキだ…」。ちょっとの便秘で、一日中食事と便のことしか考えられなくなる。必要以上に物事を悲観的にとらえすぎてストレスを増やすと、腸の働きが高まり便通異常を起こす。通勤電車で一駅ごとにトイレへ駆けこむほどの症状にも至るという「過敏性腸症候群」が最近増えている。健生会クリニックの河野友信先生に聞いた。

Q どんな症状?

A 残便感があったり、便秘や下痢を繰り返す、持続性下痢、けいれん性便秘、ガス(お腹が張る)などさまざまな便通異常がみられます。さらに、吐き気、頭痛、動機、めまいなどの自律神経失調症の症状を伴う人も多いです。

Q なぜ起こるのですか?

A 精神的または肉体的なストレスがかかることで、腸の運動機能が高まるのです。また、消化器の働きには自律神経がかかわっているので、便通異常に加え、不定秋訴までもが現れるのです。元来ストレスが胃腸に出やすい体質、また神経質・落ち込みがちな性格の人はとくに要注意です。

Q 治療法は?

A まず、この病気を理解することで症状はだいぶ軽減します。知ることで自分なりの対処ができるようになるからです。

要は“症状と上手につきあう”こと。腸にストレスをかけないように工夫をしてみましょう。

どのような状態の時に症状が出るのか確認しておく。排便は日常行為だと割り切って、やたら気にし過ぎないようにする。排便するしないにかかわらず、毎日同じ時間にトイレに座る。また、食物繊維の豊富な食事をとって、腸の働きを整えていくことも大切です。

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