飽食の裏側=食の再点検 選ぶべきか?特殊卵

1998.11.10 38号 6面

完全食品だとか、物価の優等生だとか、いいことづくめで表現される「タマゴ」。最近は飼料の中に特別な栄養成分を加え強化した特殊卵が販売されている。一軒のスーパーに卵売場は一カ所だが、少なくとも三種類、多ければ五種類ほどの卵が売られている。金額についてもパックで一五〇円以上も違いがある商品もあった。金額の違いほどに、中身も違うのだろうか。

東京都内・神奈川県内のスーパーなどで販売されている一〇銘柄の特殊卵について国民生活センターが調査した結果がある。

それによると、商品にDHA強化をうたい、「脳の発達・記憶力の向上や老化防止に役立つ」や「学習機能の向上、老人性痴呆症の予防、ガンの抑制作用」など薬事法に抵触する効果効能に相当する表示をしている商品もあった。また、ある特定の栄養素を強化していることを表示しているにもかかわらず、その含有量は標準卵と変わらない商品もあったという。

確かに表示された成分は強化されているものが多かったが、強化された栄養成分は国民栄養調査の結果をほぼ充足している。わざわざ多く取る必要性は少ない。また、「コレステロール少なめ」の表示がある商品についても標準卵に比べ多少少ないが、そもそも高コレステロール食品。「少なめ」の表示に安心して食べ過ぎないよう注意したい。

総合的な結果では栄養的には普通の卵で十分だという。普通卵でもタンパク質や脂質が豊富で、ビタミン類の寄与率も高く栄養価に優れている。値段の違いほど、品質に違いがあるかどうかは消費者自身が決めることといえそうだ。

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら