オーストリアの愛すべきパンプキン・シード・オイル
オーストリア・シュタイヤマルク地方には、世界でもここだけしかとれない不思議なカボチャがある。縦じま模様の、人の頭くらいの大きさでカラフルなスイカのよう。種に殻がついておらず丸裸なのが特徴だ。
このカボチャの種を搾った一〇〇%天然オイルは「シュタイヤマルク地方の農民の種子油」とも呼ばれ古くから好んで用いられてきた。消化もよく精力増進に役立つとされ、日本でも健康のためにスプーン一杯のオイルを毎日飲んでいる人が増えている。
この州特産のカボチャはもともとアメリカ大陸原産で、トマトやジャガイモとともに大航海時代、ヨーロッパに伝えられた。はじめは家畜の餌や貧しい人たちの食糧だったカボチャも、徐々にいろいろな調理法が広まった。バロック時代の資料には、すでにこの油の治療効果が記され、薬として使われていたことが分かる。子供が授からない夫婦にも勧めたとされている。
現在この油は科学的に研究され、ビタミンEや代謝を助けるオレイン酸、血液中のコレステロール値を下げるリノール酸を豊富に含み、男性の前立腺疾患や女性の膀胱炎などにも効果が認められている。
力強い緑色を呈し、ピーナッツや煎りゴマよりさらに奥深い香ばしさを持つカボチャ種子油は、なめらかでコクがあり、さらっとした味わい。酢とともにドレッシングやマリネに最適。また、パンにそのままつけたり生クリームの上にかけたりと、デザートのアクセントとしても楽しめそう。
写真提供:オーストリア観光局、商品問合せ:ユーキトレーディング(株)(Tel03・5466・8760)