この食品でブロック:わさびと食中毒

1999.09.10 48号 14面

現在、市販されている加工わさび製品は、粉状(粉わさび)とペースト状(ねりわさび、おろしわさび、おろし本わさび)に分類される。わさびの辛味成分は、アリルからし油で、きめ細かくすりおろすことによって、強い辛味がでる。アリルからし油は揮発性で、それが揮発して食べた瞬間、ツーンと鼻に抜け、臭覚細胞を刺激するのだ。

種々の実験結果では、わさびの辛味成分の抗菌力は、大腸菌やサルモネラ、腸炎ビブリオ、黄色ブドウ球菌などの食中毒菌の増殖を抑える働きがある。カビや酵母の発生を抑制する効果も備えている。このように実験では、優れた抗菌・殺菌作用があるが、実際には、わさびと刺身などが接触している時間や量の問題もあるので、過信は禁物。食べるもの自体が新鮮であることが何より重要だ。

わさびは、あくまでも味を引き立てる薬味として利用すべきだろう。

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