アメリカでいま最もホットな新食材・食べ方術:野菜の新芽「スプラウト」

2000.10.10 62号 3面

「スプラウト」とは、植物の新芽のこと。このスプラウトを育てて食べることもいま、アメリカのヘルシー志向の人たちの間でトレンドになっていることだ。オーガニック(有機野菜)をメーンにしているスーパーで食材を購入している層を中心に、支持されている。

食物は普通、新芽となって伸びていくときに最も成長力が強くなる。だから当然、スプラウトにはその際に必要なあらゆる栄養分や活力成分が凝縮されているわけだ。

ブームのキッカケとなったのは一九九七年、ジョンズ・ホプキンス大学の研究チームが発表した「ブロッコリーの新芽にはがん抑制効果があるといわれる酵素(スルフォラファン)が成熟したブロッコリーの三〇倍も含まれている」という趣旨の論文を発表したことからだ。もともとブロッコリーをはじめとしたアブラナ科の植物には、この酵素が含まれていることは分かっていたが、成熟したブロッコリーでがん予防効果を確実にするためには、一週間に約二キログラムもの量を食べなくてはならない。それが新芽だと、たった一〇〇グラムで十分な効果が期待できるという。このブロッコリーのスプラウトはサラダやサンドイッチのメニューになっている。

他に、湿疹などの皮膚病に効果があり、腸内細菌に良い影響を及ぼすといわれるマスタードも人気。ビタミンB群や鉄分、ミネラルも多く含まれ、各種の酵素類、ホルモンも豊富だ。サンドイッチやホットドック、サラダやスープに加えて……などのメニューで、ピリッとした味がニューヨーカーを楽しませているようだ。

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