百歳への招待「長寿の源」食材を追う:瓜呂根(かろこん)
茅根(ちがや)と瓜呂根(かろこん=キカラスウリの根)は庶民にとって入手容易な薬材。前者は薬膳・薬粥・薬茶に、後者も薬粥・薬茶ほか広い範囲で利用され、ともに効用は極めて大きい。しかも利用法も簡単で味の点からも常用する信者が多い。日常に薬食を愛する中国でも人気が高い薬食材だ。(食品評論家・太木光一)
瓜呂根(かろこん)はウリ科キカラスウリの根。漢方薬剤として広く使われる以外に各種の薬粥・薬茶・薬飲をはじめ、あせも・ただれなどによく利用される天花粉(テンカフン)などの材料となっている。
中国では古くから薬材として使われ、地楼・王白・天瓜・柿瓜・杜瓜・瓜楼ほか別名も多い。現在の中国では天花粉の呼び名が一番多い。また根茎のみならず種子・皮・茎や葉も薬用とされる。分布は広く、中国大部分の地域にみられ、主産地は河南・広西・山東・江蘇の各省。霜が降る立秋のころ採取し、涼風の場所で乾燥する。外面は類白色、淡黄色の花紋がみられ味は淡白で苦味はない。肥大潔白が良品。また根を粉砕してとったデンプンを天花粉と呼ぶ。天花とは雪のこと。粒子が細かく、あせもやただれ予防に使われる。
瓜呂根の性は甘苦にして寒。効用主治として潤肺・化痰・滑腸・治咳嗽・喀血・黄疸・便秘・消渇など。この薬能は熱を清め、渇を止め、胃を益し、津液を生ずるので、病後の虚熱あるものなどの治病によいとされる。このため薬材として紫胡姜桂湯ほか数種の薬湯に利用されている。薬粥・薬茶・薬飲などに利用され、防病治病・強身・延年益寿に効力の高いことが知られている。
(1)薬粥利用として
天花粉粥…天花粉三〇グラム・粳米一〇〇グラム
天花粉を煎り、米粥を作る。薬効として清肺、止渇に。特に糖尿病と肺熱・咳嗽の患者によく、常時食用とする。効果は大きい。
(2)薬茶利用として
天花粉茶…天花粉一二五グラム
毎回五~二〇グラムを熱湯に入れ、茶の代わりに一日数回飲む。清熱・生律・止渇の効果が大きい。また肺燥咳血にも効果が期待される。
(3)瓜呂実・瓜呂葉の利用
この生産は秋の末に果実が黄熟したものを採集。よく乾燥して煎用にする。効用として痰咳不止・救肺・便秘など。瓜呂葉は夏に採取し煎用に。夏季の炎熱をとり涼爽に。瓜呂根をはじめ実・葉も利用され価値は大きい。