おはしで防ぐ現代病:プルーンと骨粗鬆症

2002.07.10 83号 14面

プルーン(乾燥プラム)には、骨形成速度を亢進させ骨を健康に保つ効果がある。これはすでに動物実験で明らかにされていたが、新たに閉経後女性の骨粗鬆症リスクを低減させる効果も認められた。同研究をまとめたアメリカ農務省のバーラム・H・アリマンディ博士らの報告をみてみよう。(資料提供=カリフォルニアプルーン協会)

骨粗鬆症の主要な危険因子は女性(卵巣)ホルモンの欠乏といわれる。大豆・穀類・ホップなど様々な食品に含まれるイソフラボンは女性ホルモン・エストロゲンに類似した構造をしており、閉経後女性の骨粗鬆症リスクを低減させる働きをすることが報告されている。他にも、フェノール類を豊富に含む食品も同じように骨の健康に有益に働くと考えられている。

プルーンはネオクロロゲン酸やクロロゲン酸などのフェノール類を大量に含む。さらに骨代謝に重要なホウ素やセレンなどの微量元素も多く含有する。ホウ素とセレンはどちらも骨とカルシウムの代謝を調節し、骨塩密度維持に重要な役割を果たすといわれる。

またプルーンは、野菜・果物の中で抗酸化力が最も高い食品。この抗酸化作用が酸化による骨損傷を予防し、骨の保護に寄与している可能性もある。

われわれは以前、卵巣摘出ラットを使った試験で骨に対するプルーンの有効性を確認した。食事の二五%をプルーンにした場合、骨塩密度の減少を予防するだけでなく、すでに骨量減少が起きていても骨量を回復させるという結果を得た。

これをふまえ、次に閉経後女性を対象とし骨代謝に対するプルーンの有効性を調べた。参加者三八人をプルーン群と乾燥リンゴ群のグループに二分し、それぞれプルーン一〇〇グラム、乾燥リンゴ七五グラムを三カ月間毎日摂取してもらい試験を行った。

その結果、プルーン群では、骨形成に関連のある血清IGF‐1と、骨形成速度の亢進を反映する血清BSAP活性の値が有意に増加した。一方、乾燥リンゴ群ではそのような効果は見られなかった。なお、試験前後で参加者の体重の増加は見られなかった。

この試験でプルーンによって骨形成マーカーが上昇したことは、プルーンが閉経後女性の骨の健康に良好な影響を与える可能性を示唆したといえる。

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