わいわい中医ダイエット(第8回)悲しくて太った!?「はるこちゃん」
すっかり日が落ちるのが早くなってきました。日照時間が少なくなる秋から冬にかけては「冬季うつ病」の人が多くなるといわれています。日頃からストレスを受けやすい気滞体質のはるこちゃんは特に、最近何となく気分が優れない毎日を送っているようです。
Q 最近、身体が張ってむくんだような感じがするんです。秋になって、冷たいものをたくさん飲んでいるわけではないのに。体重も実際三キロくらい増えました。夏前にあんなに頑張って五キロも減量したのに。先週から思い切って食事の量を減らしているのですが、イライラするばかりで効果が表れません。自分に対する自信がなくなっているからでしょうか、一日に何度も悲しい気持ちに襲われます。
A はるこちゃんは典型的な「気滞」タイプなんですね。ストレスによって気の流れが悪くなった状態。水分も滞り、代謝が抑え込まれてしまうので、身体が張ってむくんだように太るのが特徴です。「食事の量を減らしているのに効果が表れない」ということですが、このタイプは食事よりストレスによって太るので、食事を減らすだけでは効果が見られないのです。
また、極端なダイエットによるストレスは、気滞の体質をさらに強めてしまい、ますます太りやすさが助長されてしまいます。精神的に不安定で拒食・過食を繰り返しやすく、一〇キロくらい平気で体重が変動してしまう人も多いのです。それが神経症などの心の病気につながってしまうケースもあります。はるこちゃんの場合はまだ三~五キロの変動ですから、大丈夫。この機会に自分の体質の特徴をよく知って、徐々に改善していきましょう。
○気滞太りの特徴
・ストレスが多く、拒食・過食を繰り返す
・体重の増減が激しい
・身体が張ったり、膨らんだように太る
・忙しさや気分に波がある
・生活が不規則になりやすい
○食事
量を減らすのではなく、食材の種類を増やすこと。栄養のバランスが悪くなると、ミネラル不足で脳の摂食中枢の働きが乱れます。こうなると食欲をコントロールできなくなり、ドカ食いをするなどでイライラのもとを作ることになります。
○運動
運動は熱しやすく冷めやすいタイプのため、なにをしても長続きしにくいので、基本的にその時好きな運動をするのが一番です。動きがあった方が気の流れを良くするので、ストレッチや太極拳など運動幅の大きいものがいいですね。運動を終える時は、必ずゆっくり深呼吸をしながら腕を伸ばすなどして整理体操を。精神的に安定してから終わるようにしましょう。
○ひなたぼっこ療法
やわらかい日差しのこれからの季節、うつになりやすい人にお勧めの療法です。近くの公園で二〇~三〇分、午前中の明るい日差しを洋服ごしに身体全体に浴びます。うつぶせでも座っていてもいいです。特にエネルギーを取り入れたいおなかや腰の部分には黒い布をかけて光を集めます。太陽の光には膨大なエネルギーがあり、これは気功治療を自然の形で受けているのと同じです。
●オススメの食品●
香味野菜(シソ、三つ葉、ニラ、春菊、セリなど)
●漢方薬・お茶●
開気丸、星火逍遥丸、イーパオ、ジャスミンティー、ミントティー、シベリア人参、香ロゼア
●ライフスタイル●
精神的に不安定になりやすいのですが、自分の性格パターンが分かると対人関係でむやみにストレスをためずにすみます。心理学の本を読んで、自分の心の状態を知るように努めるのもいいでしょう。