漢方ダイアリー:赤い風邪、青い風邪、黄色い風邪
●1月10日(日)
夕べからのどが腫れて痛く、熱っぽい。うがいや手洗いは徹底していたつもりなのに…。
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無事にお正月を迎え、ほっと一息のこの時期。昨年秋からの新型インフルエンザの流行により、いつもの年よりもしっかり風邪や流感予防に取り組んでいらっしゃるご家庭も多いことでしょう。
空気がカラカラに乾燥し、寒さがピークを迎える冬は、風邪をひきやすい環境といえます。風邪かなと思ったら、早めの対応を心掛けたいものですね。
風邪は人によって症状もそれぞれ違います。中医学では風邪を症状ごとのタイプ別に分けて、対応しています。
◆赤い風邪(風熱型)
熱感が強く、のどの腫れや痛み、のどの渇き、顔が赤い、急な発熱などが「赤い風邪」の特徴。高熱を伴うインフルエンザもこのタイプです。対応は、熱を冷まし炎症を抑えること。食材でははっかや大根、緑豆春雨、かりん、きゅうり、冬瓜、菊花などを取り入れましょう。熱がある時には、こまめな水分補給を忘れずに。りんごやみかんなどの果物もお勧めです。漢方薬では『天津感冒片(てんしんかんぼうへん)』『涼解楽(りょうかいらく)』が適しています。
◆青い風邪(風寒型)
寒気が強く背中がぞくぞくする、水っぽい鼻水が出る、頭痛や関節痛などの症状が出たら「青い風邪」。身体を温め汗をかいて病邪を発散させましょう。しょうが、ねぎ、胡椒、山椒、シナモンなど、身体を温める食材やスパイスがお勧めです。紅茶にしょうがと黒砂糖を加えた簡単薬膳茶で身体の底冷えを防ぎましょう。このタイプの風邪には『葛根湯』がよく使われています。
◆黄色い風邪(暑湿型)
全身が重だるく、下痢や吐き気などを伴う風邪は「黄色い風邪」。むくみやすい人など、もともと水分代謝が弱く余分な水分を身体にため込みやすい人に多くみられます。胃腸の働きを整え、体内にこもった湿気を追い出すことが必要です。食材では、シソやショウガがお勧め。漢方薬では『勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)』がよく使われています。
風邪はひき始めの対応が大切です。少しでもおかしいと思ったら、まずはどのタイプかを見分け、タイプ別にケアしましょう。
また、症状が治まったとしても、体力は消耗しています。たっぷりの睡眠と栄養補給を忘れずに。回復期には『麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)』などの滋養強壮系の漢方薬で体力を整えましょう。
●東洋エクササイズ:身体を温めるツボ
○足三里(あしさんり)
足三里(むこうずねの外側、ひざの皿の下端から指3本下)は免疫力アップのツボ。
○太陽(太陽)
太陽(眉尻と目尻を結んだ点から親指1本幅分外側)は頭痛や発熱時に。