漢方スローライフ 季節と一緒にいい加減(122)立夏 爽やかな五月晴れ

2020.05.01 298号 08面
セロリでさっぱり!具だくさんスープ

セロリでさっぱり!具だくさんスープ

セロリ

セロリ

 ●24節気 立夏(5月5~20日)

 二十四節気(にじゅうしせっき)の立夏(りっか)の頃。次第に夏が近づき、新緑がまぶしく、爽やかな風が吹く五月晴れの季節です。田んぼには水が入りカエルが鳴きはじめます。

 漢方では、大自然の流れに添って生活していくことが最高の健康法とされます。立夏の日の出は5時くらい。日の出とともに起きるためにも、夏は早寝早起きを心がけましょう。

 この時期は、夏に向けて気温や湿度が高くなってきます。そのため、涼性と水分を出す作用の食材を使い、外気温と身体のバランスをうまく保つことが重要です。セロリは、その独特の香りが気の巡りを良好にし、精神を安定させ、不眠やイライラにも効果的なので、この時期におすすめの食材です。

 ストレスで、喉に何か詰まっているような感覚になったことはありませんか?これは「梅核気(ばいかくき)」と呼ばれる不調で、気の巡りが滞っているために起こると漢方では考えます。そんな時に、中国では1~2kgのセロリにはちみつをかけて、弱火で粘り気のある状態にして食べるというユニークな食べ方もあります。

 また、夏バテや熱射病を予防するためにも、今のうちから「補肺健脾益気(ほはいけんぴえっき)」に効果のある食材を取ることも重要となります。

 ●セロリ

 【栄養学】セロリの葉や茎には、免疫力強化、抗酸化作用のあるビタミンA(β-カロテン)や血圧の調節に働くカリウムなどの栄養素があり、カロリーも低め。食物繊維も含まれ、便秘気味の人におすすめ。

 【薬膳学】肝機能を正常に整える効能や熱を取り除く作用があり、利尿により余分な湿を排出する。

 (東京栄養士薬膳研究会 栄養士・国際薬膳師 佐藤比呂子(レシピも))

 ◆セロリでさっぱり!具だくさんスープ

 外気温と身体のバランスを上手に保つ

 エネルギー112kcal たんぱく質12.18g 塩0.56g(1人分)

 <材料・2人分>

 ・セロリ……1/2本

 ・鶏むね肉(皮なし)…75g

 ・ごま油……少々

 ・もち麦……13g

 ・たまねぎ……1/4個

 ・絹豆腐……100g

 ・水……2カップ

 ・ガラスープ(顆粒)……小さじ1/4

 ・塩……小さじ1/6

 <作り方>

 (1)鶏むね肉は一口大のそぎ切りにする。セロリはよく洗い、茎の部分は筋を取り斜めスライスにする。葉は細かく刻む。たまねぎは0.5mm幅に薄くスライスする。豆腐は1~1.5cm角くらいにカットする。

 (2)鍋にごま油を入れ、鶏むね肉を加え軽く炒める。

 (3)(2)に水を入れ、沸騰したらアクを取り除き、もち麦とたまねぎを入れる。

 (4)10ほど中火で煮たら、ガラスープと塩を入れる。豆腐とセロリを加え、沸騰したら中火にして、1~2分煮たらできあがり。

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