漢方スローライフ 季節と一緒にいい加減(151)寒露 朝露とさつまいもの季節
●24節気 寒露(かんろ)(10月8~22日)
寒露とは、初秋の頃、野草に宿る冷たい露のこと。秋雨前線が南に下がり、気がつけば長雨も終わり。日本列島を覆う空気は、太平洋からでなく大陸からのものに変わり、乾燥したすっきりした気配に。夜、地面は昼間にためた熱を放出します。雲がないこの時期、熱はそのまま上空に昇ってしまい、地表温度はどんどん下がっていきます。温度が下がると大気は抱えられる水蒸気が減り、冷えた早朝、それは形を変え、草花の葉の上で露になります。
農産物の収穫もたけなわ。食卓には初物がたくさん届きます。澄んだ秋晴れの日々を存分に楽しみながらも、乾燥と急激な朝晩の冷え込みには気をつけて。
この時期においしいさつまいもも、実は寒さと乾燥が苦手。冷蔵庫には入れず、新聞紙等で包み冷暗所で保存しましょう。
●ごうんろっきで気象うらない
五運六気・2022年(壬寅年)
乾燥する季節ですが、客気が太陽寒水となるため寒さを感じるかもしれません。
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五運は、5惑星「木(風)・火(暑、熱)・土(湿気)・金(乾燥)・水(寒)」をなぞらえた天の気。六気は、地球の地の気である「風・寒・暑・湿・燥・火」。この組み合わせで24節気ごとに巡ってくる気象と、それが私たちの身体に及ぼす影響を予想するのが「五運六気」。
●さつまいも Sweet potato
【栄養学】切り口から出る白い液体はヤラピンといい、腸の働きを促進します。カリウムも豊富なので血圧の気になる方にも。
【薬膳学】腸を潤し、便通を良くします。晩秋は涼燥になり、心身の安定が必要になります。気を補い消化機能も高めましょう。
管理栄養士・国際薬膳師 中島和枝(レシピも)
◆さつまいもとくるみの白みそがらめ
便秘や高血圧が気になったら
エネルギー194kcal たんぱく質2.2g 塩分0.4g(1人分)
<材料・2人分>
・さつまいも……1/2本(100g)
・りんご……1/4個
・くるみ……6粒(20g)
・はちみつ……大さじ1
・白みそ……大さじ1/2
・水……大さじ1
<作り方>
(1)さつまいもは、皮つきのまま乱切りにして水にさらす。耐熱容器に入れラップをして 電子レンジ(600W)で3分加熱する。
(2)りんごも皮つきのまま、いちょう切りにする。
(3)フライパンに、(1)のさつまいもと(2)のりんご、くるみを入れて軽く炒め、はちみつと、水に溶いた白みそを加え、混ぜ合わせる。