漢方スローライフ 季節と一緒にいい加減(165)冬至 太陽の復活へ向かう日
●24節気 冬至(12月22日~1月5日頃)
北半球で、1年のうち昼の時間が一番短い日です。中国では太陽の力が最も弱くなることから「死に最も近い日」として恐れられてきた一方で、この日を境に日照時間が延びていくことから、陰から陽へ運をあらため幸運へと向かう折り返し地点とも位置づけられてきました。
極夜が続く北欧では、この期間に「ユール(Yule)」という古代北欧・ゲルマン人のお祭りがあります。そこでは「ユール・ログ」と呼ばれる薪を燃やして太陽の復活を祝う儀式が行われていました。これが後にキリスト教文化と結びつき、クリスマスケーキの「ブッシュ・ド・ノエル」につながるのだそうです。
太陽の復活に向かいながらも、厳しい寒さを乗り越えなくてはなりません。にらなど身体を温める食べ物で内側からケアしていきましょう。
●ごうんろっきで気象うらない
五運六気・2023年(癸卯年)
主運が水太過、客運が木太過と太過が重なり、冷たい風がよく吹く気候になりそうです。
五運は、5惑星「木(風)・火(暑、熱)・土(湿気)・金(乾燥)・水(寒)」をなぞらえた天の気。六気は、地球の地の気である「風・寒・暑・湿・燥・火」。この組み合わせで24節気ごとに巡ってくる気象と、それが私たちの身体に及ぼす影響を予想するのが「五運六気」。
◆にらのお焼き(みそだれ)
スタミナ野菜で身体を温め免疫力アップ
エネルギー428kcal たんぱく質11.0g 塩分1.8g(1人分)
〈材料・2人分〉
・にら……1/2束
・ベーコン……3枚
A・小麦粉……70g
A・卵……1/2個
A・水……1カップ
B・みそ……大さじ1
B・酒……大さじ2
B・砂糖……大さじ1
B・クルミ……5個(15g)
・油……大さじ1
〈作り方〉
(1)Bの調味料をすべて鍋に入れ、混ぜながら煮立つまで加熱し、粗く刻んだくるみを加える。
(2)にらは2cm長さ、ベーコンは1cm幅に切る。
(3)ボウルにAの材料を入れて混ぜ、(2)のにらとベーコンを加え、油を熱したフライパンで2回に分けて焼く。
(4)食べやすく切って皿に盛り、(1)のたれをぬる。
●にら Chinese cabbage
【栄養学】ビタミン、ミネラルをバランスよく含みます。香り成分アリシンは、疲労回復効果があるビタミンB1の吸収を高めます。
【薬膳学】別名「起陽草」。野菜の中で温め効果が抜群で、お腹の冷えを取り血の巡りを良くします。
東京栄養士薬膳研究会 管理栄養士・国際薬膳師山本万里子(レシピも)