漢方スローライフ 季節と一緒にいい加減(168)春分 太陽が通るご来光の道
●24節気 春分(3月20日~4月3日頃)
春分の日は春彼岸。そのお墓参りは日本独特のようです。仏教では、太陽が真西に沈むお彼岸は祖先が住む極楽浄土とこの世が近づく日と考えます。一方、神道では農耕期前に祖先の霊に感謝し豊穣をお祈りする日。この両者、仏教の浄土思想と神道の祖先崇拝が合わさりできあがった習慣ではないかとされます。
春分の日に太陽は北緯35度22分のライン上を真東から昇って真西に沈みます。その通り道の地には、東から玉前神社(千葉県)、寒川神社(神奈川県)、富士山、七面山(山梨県)、竹生島(滋賀県)、元伊勢(京都府)、大山(鳥取県)、出雲大社(島根県)などの神社が一直線で並び、ご来光の道と呼ばれています。パワースポットの道ですね。
新たまねぎのらせんを眺めながら、季節が巡る神秘な力を、ふと考えました。
●ごうんろっきで気象うらない
五運六気・2024年(甲辰年)客運が金不及で火が旺盛になるはずですが、主運が火不及で少し肌寒い春になりそうです。
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五運は、5惑星「木(風)・火(暑、熱)・土(湿気)・金(乾燥)・水(寒)」をなぞらえた天の気。六気は、地球の地の気である「風・寒・暑・湿・燥・火」。この組み合わせで24節気ごとに巡ってくる気象と、それが私たちの身体に及ぼす影響を予想するのが「五運六気」。
◆丸ごとたまねぎのスープ煮
身体を温め、気を巡らして食欲増進
エネルギー112kcal たんぱく質8.3g 塩分1.1g(1人分)
〈材料・2人分〉
・たまねぎ……小さめ2個
・黒きくらげ(乾)……3個
・むきえび……6個
・ブロッコリー……小房に分け6個
A・コンソメ顆粒……大さじ1弱
A・白ワイン……大さじ3
A・塩……小さじ3/4
A・黒こしょう……少々
〈作り方〉
(1)黒きくらげはぬるま湯で戻し、石づきを取り3cmに切る。たまねぎは上部に浅く十字に切り込みを入れ、ゆるめにラップをし電子レンジ(500W)で8分加熱する。
(2)たまねぎ全体がかぶるほどの水(4カップ)を深鍋に入れ、(1)とAを入れる。落としぶたとフタをし、沸騰まで中火、その後弱火で25分煮る。
(3)白ワイン小さじ1(分量外)をふったえびとブロッコリーに、各々ラップをかけ電子レンジで1分加熱する。
(4)器に(2)と(3)を盛り合わせ、煮汁大さじ3をかける。
●たまねぎ Onion
【栄養学】ビタミンB1の吸収を良くする硫化アリルをもち、辛味や刺激臭の元となります。肉の生臭さをやわらげる効果があります。
【薬膳学】身体の陰陽のバランスを整えましょう。身体を温めるたまねぎに陽を補うえびや潤す働きがあるきくらげを合わせると効果がアップ。
東京栄養士薬膳研究会 管理栄養士・国際薬膳師 陶山睦子(レシピも)